忘れ「」私、と君
「え! ミナトくん花冠上手!」
「んー? そう?」
お花畑は上から見るのよりずっと広くて、何種類ものお花があった。
で、彼は黙々と何作ってるのかと思ったらいろんなお花を巻き込んだ花冠。
「えー、どうやって作るの?」
「ははっ、気になる?」
楽しそうに笑いながら、首を傾げて聞いてくる。
……お花畑似合うなー、なんてぼんやり思った。
「え、うん!」
「……一緒に作ろっか」
そして一つ一つ、手順を教えてもらってつくたけど。
「……難しい」
出来上がった花冠はお世辞にも綺麗とは言えなかった。
え、難しいよ。
なんであんな綺麗につくれるの?
彼のは綺麗に外側に向かって全部のお花が咲いてるのに。
「海美、意外とこういう作業苦手だよね。ピアノ弾けるのに」
彼は楽しそうに声を出して笑ってる。
ピアノ、弾けたんだ。
……にしても笑いすぎじゃない?!
「もういいー。大人しくお花摘んでる」
「あれ、拗ねちゃった」
別に拗ねてないし。
ただ、向いてないなーって思っただけだし。
「まぁまぁ、お嬢様は送られる方でしょ」
そう言って彼は、私のとは比べ物にならないほど、丁寧に編まれた花冠を頭に乗せてくれた。
「……お嬢様じゃないもん」
「ほんと、変わんないね」
彼がまた楽しそうに笑った。
彼は何か言ってたみたいだけど、小さくてなんて言ったか、聞こえなかった。
「なにか言った?」
「んーん、別に」
……お花。
冠は作れないけど、ブレるレットならいけるんじゃない?
そう思って、お花をいくつか摘んだ。
んー、お花の色とかバランスは、数が少ないから……。
「ミナトくん」
「ん?」
「手、貸して」
「ん? はい」
大半編めてるから、残り少しを編めば完成する、はず!
手を借りて、残り少しを彼の手首に合わせて編んでいく。
彼は微塵も動かないし、すっごい静か。
「あ、できたー!」
「ブレスレット? ありがとう」
彼が嬉しそうに笑う。
まぁ、彼の冠には劣るけど、さっきの私の冠よりは断然いい!
「冠作れないからお礼ね?」
「お礼ー? ただの花冠だし、いくらでも作るよ」
「えー?」
冗談?んー、でも彼なら作りかねないよね。
とりあえず、お花畑は堪能したかなー。
「ん、戻る?」
「休憩ー」
「じゃあ、俺もいったん部屋行こっかな」