忘れ「」私、と君
あの後別れて私はまた、噴水へ来た。
「……ほんと、不思議な人だよねー」
水面を覗き込む。
頭に乗せられた花冠が少しだけ水面に映った。
ほんと、器用だなぁ。
わかったこと、わからないこと……どっちも増えた。
増えた、けど。
「……」
わからないなぁ。
この世界を知ること、彼を知ること、私を思い出すこと。
「どうしようかなぁ」
頭の冠をそっと手に取った。
でも、今日は……もういいかな。
冠を掲げて、あの時の彼を思い出す。
まだ、これからだよね。
冠を見ながら、小さく笑った。