忘れ「」私、と君



困ったなぁ。何も言わなすぎだよ。

もう少し教えてくれてもいいと思うんだけど。

聞かない私も私だけど。


「……」


そして結局私は噴水に来ちゃうのね。


知ってた。

なんとなく、気持ちが落ち着くんだよねー。

水の力?音かな?

……でも、今は。


水面をかき消すように手で水を荒らした。

落ち着かない……。


「……はぁ、別のところ行こうかな」


なんて思ってたら、茂みからガサガサと音がした。

何の音かと思って音がする方へ近づいてみた。


「……うさぎ?」


茂みから覗いたのは、草むらにはあまりにも似合わない真っ白なうさぎ。

私が少し躊躇ってると、うさぎは警戒する様子もなく私に近づいてきた。


「……なあにー?」


少し触れても逃げない。

不思議な子。


雪うさぎみたい。


「ゆき……かな」


思わず呟くと、うさぎが耳を立てて反応した。


……彼みたいね。


膝に乗せて撫でても大人しい。

毛並みもすごいきれいだなぁ。
< 13 / 21 >

この作品をシェア

pagetop