ヨクバリなココロなの

仲直り大作戦!

 数時間後、詩織からの通話が来た。

「もしもし、詩織?」

『もしもし……日和、いきなり居なくなってごめんね』

「良いよ、それよりどうしたの?」

『咲月との話し合いにふたりに付き合って欲しいんだけど』

「わかった、どこに行けば良い?」

『待って、位置情報送る』

「はーい」

 早速、詩織から送られてきた位置情報の所に千歳と向かうと、詩織は小さなアパートの駐車場に佇んでいた。

「詩織!」

「日和!」

「詩織ちゃん、話し合いに付き合って欲しいってどういう……」

「あぁ、その……いつまでも拗ねてるのは大人気ないとは思うから、親睦の意味も含めてダブルデートをして欲しいって言い出して……」

「わかった。それでふたりが仲直りするなら、僕は協力するよ」

「あたしも全然大丈夫だよ。で? ダブルデートはいつにするの?」

「明日って言ってた」

「明日!? 早くない!?」

「それはごめん……気が変わらない内に急いだ方が良いかなって、ウチが言った」

「そっか……じゃあ、とりあえず一旦デートプランを練ろうか」

「そうだね、エスコートも大事だよね!」

「そういうこと」

 そうして、日和達は人気のデートスポットを調べて行き先を決めた。









 翌日、咲月さんと合流してギクシャクしたままダブルデートは幕を開けた。

 映画館や水族館、カフェにレストラン色々と過ごした頃、日和と千歳に気を利かせた詩織と咲月さんは「ふたりきりにさせて欲しい」と頼んで来た。

 日和達は快く受け入れると、雑貨屋に向かった。

「ありがとうね、実はあのネックレスが気になってたんだ」

「良いよ、時間はいくらでもあるんだから」

「そうだね、ちーくんもどっか行きたい所あったら教えてね」

「うん」

 アクセサリーケースに入れられたネックレスを見ていたが、思っていたより高額で結局買えないまま日和は店を出た。

「ごめんね、付き合って貰ったのに……」

「仕方ないよ。さぁ、次に行こうか」

「うん!」

 そうして歩き出そうとした時、後ろから千歳に声をかけられた。

「日和」

「ん?」

 振り向くと首にネックレスが着けられた。

「え……これ……」

「日和、これをずっと見てたから欲しいんだろうなって」

「ありがとう……! 嬉しい……!」

「うん、僕も日和が喜んでくれて嬉しいよ」

 その時、詩織から通話を知らせる通知音が鳴った。

『話し合い、終わったよ。これからどうする? このまま解散する?』

「そうだね、このままふたりきりで過ごしたい」

『わかった、付き合ってくれて本当にありがとう』

「ううん、あたしも楽しかった」









 その日の夜、夜ご飯を食べようと少し小洒落たレストランに入った。

「いらっしゃいませ」

 店員の丁寧な接客に思わず日和の背筋も不思議と伸びる。

「びっくりした?」

「うん……凄いお洒落な所知ってたね」

「あぁ、母さんが好きで良くお土産にここのケーキ買って来るから……」

「そっか……」

「うん……」

 そして、頼んだメニューも揃い食べ進めていた時……

 店員がやって来て頼んでもいないショートケーキを日和の前に置いた。

「これは……?」

 よくよくケーキを見るとチョコプレートには"日和、結婚して欲しい"と書かれていた。

「誕生日プランでチョコプレートに自由に文字を入れられるみたいだったから入れて貰ったんだ……日和、改めて僕と結婚してくれませんか?」

 突然のことに呆気に取られるも、なんとか返事をすると微笑む千歳を見て日和も嬉しくなった。

「はい……! 喜んで!」
< 26 / 27 >

この作品をシェア

pagetop