紫陽花の短編集物語#4

潜入ガール!~あなたの知らない秘密、暴きます!~

毎話のあらすじとタイトル

第1話 潜入ガール、誕生!
大学生の天野ユイは、結婚をエサに金を騙し取る詐欺師に引っかかりそうになる。しかし、天性の人懐っこさと機転で、逆に詐欺師を追い詰めることに成功する。その様子を見ていたベテラン刑事の高倉リョウは、ユイを警視庁の非公式おとり捜査チーム「シャドウズ」にスカウト。最初は戸惑うユイだったが、自分を救ってくれた高倉への感謝の気持ちから、刑事としての第一歩を踏み出すことを決意する。

第2話 ごめんなさい
「高収入アルバイト」という言葉に釣られ、特殊詐欺グループに利用されている若者たちがいるという情報が入る。ユイは、その若者たちになりすまして潜入。詐欺の指示役を突き止めるが、若者たちが逮捕されることに心を痛める。罪を犯した若者たちに「ごめんなさい」と心の中で謝りながら、ユイは彼らを救うために奔走する。

第3話 こんにちは
フォロワー数百万の人気インフルエンサー「キラ」が、違法な投資詐欺を宣伝している疑いが浮上する。ユイは、キラに憧れる新人インフルエンサーになりすまし、彼女の主催する交流会に潜入。キラの信者となったユイは、投資詐欺の実態を探るため、彼女の自宅へ。そこでユイが見たものは、華やかなSNSとはかけ離れた、孤独なキラの本当の姿だった。

第4話 いただきます
高倉が追っていた違法な闇カジノの運営者が、ある高級レストランのオーナーだと判明する。ユイは、そのレストランの常連客として潜入。オーナーとの食事を重ね、警戒心を解いていく。そして、オーナーから闇カジノへの招待状を受け取ったユイは、ついに潜入捜査の最終段階へ。勝利を「いただきます」と心の中でつぶやきながら、ユイは危険な賭けに挑む。

第5話 さようなら
SNSで知り合った若者をカルト集団へ勧誘する事件が多発。ユイは被害者の一人になりすまし、集団へ潜入する。そこでユイは、洗脳された若者たちが「疲れた心」を癒すために、集団に依存していることを知る。ユイは、彼らの心を救うため、そして集団のリーダーに「さようなら」を告げるために、決死の作戦を立てる。




第6話 またね
富裕層を狙った結婚詐欺グループが、偽の婚活パーティーを主催しているという情報が入る。ユイはセレブになりすまし、パーティーに参加。そこで出会った詐欺師のリーダーは、ユイが過去に詐欺に遭いかけた相手だった。再び彼に騙されまいと、ユイは「いただきます」と心の中で復讐を誓う。そして、事件解決後、ユイは詐欺師に「またね」と告げ、別れを告げる。

第7話 おつかれさま
あるIT企業の天才プログラマーが行方不明に。ユイは新入社員としてその企業に潜入し、彼の失踪の裏にある秘密を探る。彼のデスクトップに残されていた暗号を解読すると、そこには企業が隠蔽していた不正の証拠が。ユイは真実にたどり着くが、それは高倉が過去に失敗した事件と繋がっていることを知る。

第8話 おやすみ
違法な取引が行われているダークウェブのサイトに、高倉が一人で潜入を試みる。危険を察知したユイは、ハッカーになりすまして彼を止めようとする。だが、サイトの管理人は高倉の過去を知る人物で、ユイは高倉に「おやすみなさい」と声をかけ、彼が過去と向き合う時間を与える。

第9話 ありがとう
すべての事件の背後にいる巨大な犯罪組織のリーダーが、高倉の過去の潜入捜査に関わっていたことが判明。高倉は一人で決着をつけようとするが、ユイは彼を支えるため、「もう一人で背負わないで」と言う。そして、チーム全員で高倉の過去と向き合い、「ありがとう」と感謝の言葉を伝え合う。

第10話 またね
巨大な犯罪組織を追い詰めるため、ユイと高倉は命をかけた最後の潜入捜査に挑む。事件は解決するが、ユイは刑事として、高倉は一人の人間として、大きな決断を下す。そして、ユイは新たな道を歩み始める高倉に、「またね」と別れを告げる。







主な登場人物

主人公:天野ユイ(20)
天性の人懐っこさと、どんな相手にも溶け込める才能を持つ、元気で明るい女性。その才能を見込まれ、警察の非公式おとり捜査チームにスカウトされる。ファッションやメイクで様々なキャラクターを演じ分け、ターゲットに近づく。

主人公のバディ:高倉リョウ(40)
ユイの才能を見抜いたベテラン刑事。過去に潜入捜査で苦い経験があり、ユイを危険な目に遭わせることに葛藤を抱いている。ユイの暴走を止めたり、陰でサポートしたりする役。

安西 アヤノ(35)
「シャドウズ」の紅一点。ユイの変装やメイクを担当する、元舞台衣装デザイナー。
冷静沈着で、時にユイに厳しい言葉をかけるが、その裏にはユイを思う気持ちがある。

宮本 シンタロウ(28)
「シャドウズ」のIT担当。天才ハッカーで、あらゆる電子機器を使いこなす。普段は口数が少ないが、ユイが潜入する際には強力なサポート役となる。

佐々木 ケンジ(55)
「シャドウズ」の指揮官であり、チームの創設者。刑事としての経験が豊富で、ユイたちの行動を的確に指示する。チームメンバーを父親のように見守る、厳しくも温かい人物。














第1話 潜入ガール、誕生!

「え、もしかして、ユイちゃん?」
SNSで知り合った「健人」は、画面越しに見た写真とまったく同じ、優しそうな笑顔でユイに手を振った。
待ち合わせ場所に指定されたのは、都心にあるおしゃれなカフェ。
窓から差し込む夕日が、彼の柔らかな雰囲気を際立たせていた。
天野ユイ、20歳。ごく普通の大学生だ。流行りのカフェでアルバイトをして、放課後は友達と遊んで、家に帰ればSNSをチェックする。そんなありふれた日常を送っていたはずだった。
つい先日、SNSで知り合った健人に「結婚を前提に真剣に付き合いたい」と告白され、舞い上がっていたところまでは。
「こんな素敵なお店、初めて来ました!」
ユイは満面の笑みで健人に話しかける。
高倉から言われた通り、今日のユイは「素直で世間知らずな地方出身の女の子」という設定だ。健人の笑顔は、ユイが演じるそのキャラクターを、より一層引き立ててくれる。
健人はユイに夢を語った。近いうちに会社を立ち上げる予定で、今はそのための資金集めをしていること。もし成功したら、ユイを世界一周旅行に連れて行ってあげたいということ。
「すごい! 応援してます!」
ユイは目をキラキラさせながら頷いた。
健人は、ユイの純粋な反応が嬉しかったのか、ますます饒舌になる。
「本当は人に言っちゃいけないんだけど、実は今、すごくいい投資案件があってさ。このチャンスを逃したくないんだ。でも、資金がちょっと足りなくて……」
健人は寂しそうな顔で、ユイに助けを求めるような視線を送る。
「……え、じゃあ、私でよければ少しでも力になります!」
ユイは健人の話にまんまと乗り、すぐにでも口座に振り込むと答えた。
それを聞いた健人は、ホッとしたように顔をほころばせる。
「ありがとう、ユイちゃん!君のおかげで、夢が叶いそうだ。本当に、本当にありがとう」
彼の口から出た「ありがとう」という言葉に、ユイはゾクッとした。
その直後、ユイのスマホに「ターゲットの口座情報入手。すぐ離脱しろ」というメッセージが届く。送信者は、ユイのバディを務めるベテラン刑事、高倉リョウだった。
その日、ユイが潜入しているカフェの向かいにある雑居ビルのワンフロアに、警視庁の非公式おとり捜査チーム「シャドウズ」の臨時拠点が設置されていた。
「もうすぐだ、ユイ。気を抜くなよ」
高倉はモニター越しにユイの様子を監視しながら、小さく呟く。
その隣では、チームのIT担当である宮本シンタロウが、健人の過去の詐欺案件のデータを探していた。変装とメイクを担当した安西アヤノは、ユイの表情一つ一つを見逃すまいと、鋭い視線をモニターに向けている。
そして、チームの指揮官である佐々木ケンジは、全員の報告を待っていた。
「ターゲットが動きました。今から銀行に向かうと思われます」
宮本が報告する。高倉はすぐさまユイにメッセージを送った。
「ユイ、ターゲットが動く。すぐ店を出て、尾行しろ」
ユイは健人に「少しお手洗いに行ってきますね!」と告げ、急いで店を出る。そして、健人の後を追った。
健人は銀行のATMコーナーで、携帯電話片手に誰かと話していた。
その顔は、先ほどまでの優しげな表情とは打って変わって、冷たく鋭い。
「はい、はい、大丈夫です。もうすぐ振り込ませますから」
黒崎は電話を切ると、ユイの口座情報を入力しようとする。
その瞬間、ユイは意を決して、彼の背中に声をかけた。
「黒崎さん。それ、誰の口座番号ですか?」
黒崎は驚いて振り向く。そこに立っていたのは、先ほどまで一緒だったはずのユイだった。
「なんで……ユイちゃん?」
「あなたのスマホ、GPSがオンになっていました。それに、SNSであなたのことを調べていたら、色々なことがわかってしまって……」
ユイは芝居がかった声で、黒崎に告げる。
黒崎は、ユイが警察と繋がっているとは夢にも思わず、ただ呆然と立ち尽くしていた。
「ごめんなさい、黒崎さん。私、普通の大学生じゃないんです。……そして、あなたのこと、ちゃんと調べてきました。結婚詐欺師の黒崎さん、ですよね?」
その瞬間、黒崎は観念したように肩を落とす。
「どうして……」
「黒崎さん、あなたを騙そうとしてごめんなさい。でも、あなたが騙そうとしていた人たちのために、私たちはここにいます。あなたの『ありがとう』という言葉に、嘘はなかったですよね?」
ユイの言葉に、黒崎は何も言えずに立ち尽くした。
「私たちは、あなたを騙してごめんなさい。でも、あなたを救うためでもありました」
ユイの言葉に、黒崎は呆然としたまま、その場に崩れ落ちた。






第2話 ごめんなさい

「今回のターゲットは、闇バイトの指示役だ」
佐々木ケンジの言葉に、ユイは息をのんだ。
目の前のモニターには、SNSで「高収入!簡単作業!」と募集をかけるアカウントが表示されている。
「指示役は、『キング』と呼ばれている。顔も年齢も不明。このキングが、未成年や大学生を言葉巧みに操り、特殊詐欺に加担させている」
佐々木は険しい表情で続ける。
「キングは、一度でも詐欺に加担した人間には、身分証のコピーや家族の写真などを送るように指示する。彼らは、一度足を踏み入れたら最後、キングの言いなりになるしかないんだ」
高倉リョウは、そんな犯罪の手口に怒りをにじませていた。
「キングの指示役には、元詐欺グループのハッカーが関わっている可能性が高い。宮本、頼むぞ」
「任せてください」
IT担当の宮本シンタロウは、キーボードを叩き始めた。
今回の任務は、ユイが闇バイトに応募し、キングの指示役を突き止めること。だが、高倉はユイを危険な目に遭わせることに葛藤を抱いていた。
「ユイ。もし何かあったら、すぐに連絡しろ。無理はするな」
「大丈夫です、高倉さん。私、自分の力で誰かを救えるって信じてますから」
ユイはそう言って、高倉に笑顔を向けた。
ユイは闇バイトに応募し、「キング」と呼ばれる指示役と連絡を取り始めた。キングの言葉は巧みで、まるでゲームをしているかのように、ユイを詐欺の世界へと引き込んでいく。
「最初は簡単な作業からだ。近くのコンビニに行って、指定された電子マネーを購入してくれ」
ユイは、指示通りに電子マネーを購入し、キングに番号を送信する。その間にも、宮本はキングのIPアドレスを特定しようと試みていた。
「キング、次はどうすればいい?」
ユイがメッセージを送ると、キングからの返信はすぐに来た。
「次は、君にしかできない仕事だ。ある人物になりすまして、指定された場所に荷物を取りに行ってほしい」
高倉は、その指示に顔をしかめる。
「ついに荷物の受け取りか。ここからが一番危険だ」
「ユイ。ターゲットに直接会うことになる。気をつけろ」
ユイは、指定された場所へ向かう。そこには、ユイと同年代の若者たちが、不安そうな顔で集まっていた。
彼らは皆、闇バイトでキングの指示を受けている人間だった。
「俺、こんなことしたくないんだけど……」
「俺も。でも、親に迷惑はかけたくないし……」
ユイは、彼らがキングに脅され、仕方なく詐欺に加担していることを知る。
ユイの心に、ある作戦がひらめいた。
「みんな、キングに利用されてるだけだよ。今ならまだ、間に合う」
ユイは、彼らにキングの巧妙な手口を説明し、自分たちが利用されているだけだと説得する。ユイの言葉に、若者たちは戸惑いながらも、少しずつ心を動かされていった。
その様子を遠くから見ていた高倉は、ユイの行動に驚く。
「ユイ…まさか、単独で若者たちを説得するつもりか?」
ユイは、若者たちに協力を求め、キングを逮捕するための作戦を提案した。
「みんな、ごめんなさい。あなたがたを巻き込んでしまって。でも、もう一度、私たちを信じてくれませんか?」
ユイの必死な呼びかけに、若者たちは頷いた。
若者たちの協力を得て、ユイはキングを追い詰めていく。キングは、若者たちが裏切ったことを知り、逆上する。
「まさか、お前が警察の犬だったとはな!」
キングはユイに最後のメールを送る。
「お前を、そしてお前に関わったすべての人間を、地獄に突き落としてやる。おやすみ」
そのメールを見た瞬間、宮本が叫んだ。
「高倉さん!キングのIPアドレス、特定しました!」
ユイは、キングのアジトに乗り込み、彼を逮捕することに成功する。
事件解決後、ユイは若者たちに近づき、深く頭を下げた。
「本当に、ごめんなさい。あなたたちをこんな危険な目に遭わせてしまって」
若者たちは、ユイの謝罪に笑顔で答える。
「いいんだ。君のおかげで、俺たち、もう一度やり直せる。ありがとう」
ユイは、彼らが未来へ向かって歩き始めたことに安堵し、心の中でつぶやいた。
「ごめんなさい。…そして、おやすみなさい」
ユイは、闇の世界から抜け出すことができた若者たちの背中を見つめ、静かにその場を後にした。






第3話 こんにちは

「今回のターゲットは、インフルエンサーだ」
安西アヤノは、タブレットを操作しながらユイに話しかけた。
画面には、フォロワー数百万を誇る人気インフルエンサー「キラ」のアカウントが表示されている。
「キラは、SNSで若い世代に絶大な人気を誇るカリスマ。だが、彼女の投稿には、違法な投資詐欺を匂わせるものが含まれている」
高倉リョウは険しい表情でユイに告げた。
「今回は、君がキラのファンになりすまして、彼女に接触する。キラは、定期的にファンを集めて交流会を開いている。それが、唯一の潜入のチャンスだ」
ユイは、安西によってキラそっくりのメイクと衣装に身を包んだ。
「ユイ、あなたはもうユイじゃない。今日から、キラに憧れる新人インフルエンサーの『ユリ』だ」
安西は、ユイに鏡を見せる。そこには、いつもの元気なユイではなく、少し大人びた「ユリ」の姿があった。
「こんにちは、キラさん。私、ユリって言います。キラさんに憧れて、インフルエンサーを始めました」
交流会で、ユイはキラに話しかける。
キラは、ユイの純粋な瞳に警戒心を解いたのか、笑顔でユイを迎え入れた。
「ユリちゃん、こんにちは! 私、いつでも相談に乗るからね」
キラは、華やかな交流会の裏で、投資詐欺の勧誘を行っていた。
キラに心酔するファンたちは、彼女の言葉を盲目的に信じ、次々と投資に手を出していく。
『ユイ、気をつけろ。キラは、この交流会で投資案件の話を持ちかけるはずだ』
イヤホンから高倉の声が聞こえる。
ユイは、キラの信者になりきり、投資に興味があるフリをした。
「キラさん、その投資案件、私にも教えてほしいです!」
ユイの言葉に、キラは満足げな笑みを浮かべた。
「ユリちゃんはセンスがいいわね。この投資案件、絶対に損はしないから」
キラは、交流会の後、ユイを自宅に招いた。
キラの自宅は、SNSで見るような華やかな世界とはかけ離れた、殺風景な部屋だった。
「キラさん…お一人で住んでいるんですか?」
ユイは、キラに尋ねた。キラは、ユイの問いに一瞬言葉を詰まらせた。
「…そうよ。一人の方が、気楽だから」
その夜、ユイはキラの自宅に泊まることになった。
夜中に目が覚めたユイは、キラがこっそりパソコンを触っているのを見つける。
ユイは、キラの背後に忍び寄り、画面を覗き込む。
そこには、キラが投資詐欺の黒幕とやり取りしているメッセージが表示されていた。
『キラ、次のターゲットは?早くリストを送れ』
ユイは、震える手でスマホを操作し、その画面を撮影しようとする。
その瞬間、キラが振り返った。
「ユリ…どうしてここに?」
キラの鋭い視線に、ユイは息をのんだ。
ユイは、とっさに演技を続ける。
「キラさん…お腹が空いて、何か食べ物がないか探していました…」
キラは、ユイの言葉に安堵したのか、すぐに笑顔に戻った。
「もう、びっくりさせないでよ。ほら、何か作ってあげるから」
翌日、ユイは、高倉にキラのパソコンの画面を撮影したことを報告。
高倉は、その証拠から投資詐欺の黒幕を特定した。
「ユイ、よくやった。これでもう、キラを逮捕できる」
だが、ユイは浮かない顔をしていた。
「高倉さん、キラさんは、きっと一人で寂しかったんだと思います。だから、あんな風に誰かを騙すようなことを…」
ユイの言葉に、高倉は静かに頷いた。
「…ユイ、君は、ターゲットの気持ちに寄り添いすぎることがある。だが、それが君の強さだ。ユイ、君が信じる道を進め」
ユイは、高倉の言葉に背中を押され、もう一度、キラに会いに行くことにした。
そして、ユイは、キラに本当の自分を打ち明ける。
「キラさん、私は、刑事です。あなたを逮捕しに来ました」
キラは、ユイの言葉に愕然とする。
「…どうして、私を裏切ったの?私は、あなたを信じていたのに…」
「ごめんなさい。でも、キラさんを救いたかった。あなたには、もう一度やり直すチャンスがあります」
キラは、ユイの言葉に涙を流しながら、逮捕を受け入れた。そして、ユイに深々と頭を下げた。
「…ユイさん。あなたに、こんにちは。本当の自分に、もう一度、こんにちは…」
ユイは、キラの言葉に涙を流しながら、静かに頷いた。
キラは、もうSNSの華やかな世界には戻らない。だが、彼女は、自分の人生をやり直すために、新たな一歩を踏み出した。



第4話 いただきます

今回のターゲットは、闇カジノの運営者だ」
佐々木ケンジは、今回の潜入捜査について説明を始めた。
「運営者は、表向きは高級レストランのオーナー、西島タカヒロ。だが、彼の店の地下には、違法に運営されている闇カジノがある」
高倉リョウは、ユイに告げた。
「ユイ。今回は、君がセレブになりすまして、西島に近づく。西島は美食家で、自分の店に通う客を信用する傾向がある。食事を重ね、彼の信頼を勝ち取るんだ」
ユイは、安西によって高級ブランドのドレスに身を包み、一流ホテルのラウンジで高倉と待ち合わせをした。ユイの姿に、高倉は目を丸くする。
「ユイ、まるで別人だな。いや、別人になりきったか」
ユイは、高倉の言葉に少し照れくさそうに笑った。
「安西さんが、私をセレブに変身させてくれました」
ユイは、西島がオーナーを務める高級レストランを訪れた。
ユイは、料理の知識を披露したり、西島が興味を持つ話題を振ったりして、彼に接近する。西島は、ユイの知識の豊富さと、物怖じしない態度に興味を抱いたようだ。
「お嬢さん、お口に合いましたかな?」
西島は、ユイに話しかけてきた。ユイは、西島に笑顔を向けた。
「はい、とっても美味しいです。西島さん、こんなに美味しい料理、どうやったら作れるんですか?」
西島は、ユイの言葉に気を良くしたのか、料理について熱く語り始めた。
その夜、ユイは西島から食事の誘いを受ける。
ユイは、その誘いを快く引き受けた。
その後も、ユイは西島との食事を重ねる。
二人の関係は、次第に親密になっていった。
『ユイ、焦るな。西島は警戒心が強い。必ず、向こうから闇カジノの招待状を出してくるはずだ』
高倉の声が、イヤホンから聞こえてくる。
数日後、西島はユイに告げた。
「ユイさん、実はこの店の地下に、特別な場所があるんです。そこでは、限られた人だけが、極上の遊びを楽しむことができる。もしよければ、今夜、いかがですかな?」
ついに、西島が闇カジノの招待状をユイに差し出した。
ユイは、その招待状を笑顔で受け取った。
その夜、ユイは、西島の店の地下に足を踏み入れた。
そこには、SNSの世界とは異なる、別の顔を持つ男がいた。
西島は、ユイに笑顔で声をかけた。 「
さあ、ユイさん。存分にお楽しみください」
ユイは、カジノのテーブルに座る。
そこでユイは、賭けに負けた客が、西島に借金のカタとして、会社や家族を差し出しているのを目撃する。
ユイは、西島の裏の顔を目の当たりにし、怒りを覚えた。
ユイは、西島に勝負を挑む。
「西島さん。私と、一対一で勝負しませんか? 私が勝ったら、ここから出ていく人たちを全員解放してください」
西島は、ユイの言葉に笑い飛ばした。
「お嬢さん、いい度胸だ。だが、勝てるわけがない」
ユイは、高倉から教わったポーカーのテクニックを駆使し、西島を追い詰めていく。
そして、ユイは、最後にカードをめくり、勝利を確信する。
「西島さん。勝負は私の勝ちです」
ユイは、西島に告げた。
西島は、悔しそうに顔を歪める。
「まさか…」
ユイは、西島に深々と頭を下げた。
「西島さん。この料理、とっても美味しかったです。でも、あなたが作った料理は、もう二度と食べません。だって、あなたのような人を、私、もう信じられないから」
ユイは、西島にそう告げ、カジノを出た。
そして、心の中でつぶやいた。
「いただきます。…あなたの人生を、私がいただく」
ユイは、闇カジノから解放された人々と共に、地上へ向かって歩き出した。
彼女の瞳には、強い光が宿っていた。











第5話 さようなら

「今回のターゲットは、カルト集団だ」
佐々木ケンジは、今回の潜入捜査について説明を始めた。
「彼らは『希望の家』と名乗り、SNSで心の悩みを抱えた若者たちを勧誘している。だが、実態は、多額の寄付金と労働力を搾取するカルト集団だ」
ユイは、モニターに映る『希望の家』のメンバーの顔を見て、眉をひそめた。皆、どこか虚ろな目をしていた。
高倉リョウは、ユイに告げた。
「今回は、君が心に傷を抱えた若者になりすまして、集団へ潜入する。彼らは、一度入信したら家族との連絡を絶つ。危険な任務だ、ユイ」
ユイは、安西アヤノによって、地味な服装とメイクに身を包んだ。
「ユイ、あなたはもうユイじゃない。今日から、恋人に裏切られて絶望している『ミナ』だ」
ユイは、SNSで『希望の家』にメッセージを送る。
「私の人生、もう終わりです。どこにも行きたくない。誰にも会いたくない」
すると、すぐに『希望の家』のリーダー「コウキ」から返信が来た。
「大丈夫。あなたは一人じゃない。私たちは、あなたの帰る場所です」
ユイは、コウキの甘い言葉に警戒しながらも、『希望の家』へ足を踏み入れた。
そこには、ユイと同年代の若者たちが、笑顔でユイを迎えてくれた。
だが、その笑顔の裏には、どこか不自然さが隠されていた。
『ユイ、気をつけろ。コウキは、信者の心を掌握するプロだ』
高倉の声が、イヤホンから聞こえてくる。
コウキは、ユイに優しく語りかけた。
「ミナさん、疲れた心を癒しに来たんですね。私たちは、あなたの家族です。ここには、あなたの心を傷つけるものは何もない」
ユイは、コウキの言葉に頷きながらも、信者たちの行動を観察した。
彼らは、毎日同じ時間に起きて、同じ時間に祈り、同じ時間に食事をとる。
その生活は、まるでロボットのようだった。
その夜、ユイは、信者の一人「ユキ」と話す機会を得た。
ユキは、ユイに心を開き、自分が『希望の家』に入った理由を語った。
「私、人間関係で悩んでたんだ。でも、ここに来て、みんなが私のことを受け入れてくれた。だから、ここが私の居場所なんだ」
ユイは、ユキの言葉に胸が締め付けられる思いがした。
「でも、ユキさん。あなたは、本当の自分でいられてるんですか?」
ユキは、ユイの言葉にハッとした表情を浮かべる。
その時、コウキが二人の会話に気づき、ユキを連れて行ってしまった。
ユイは、高倉に報告する。
「高倉さん、信者たちは、コウキに洗脳されているだけじゃない。彼らは、現実の世界に疲れて、ここに逃げてきているんだと思います」
高倉は、ユイの言葉に静かに頷いた。
「…ユイ。君は、彼らの心を救いたいんだな」
ユイは、コウキを逮捕するため、決死の作戦を立てた。
ユイは、コウキに最後の勝負を挑む。
「コウキさん。私、もう一度、現実の世界に戻りたいです。私を、元の世界に戻してください」
コウキは、ユイの言葉に驚く。
「何を言ってるんだい、ミナさん。ここがあなたの居場所だろう?」
ユイは、コウキに笑顔を向けた。
「コウキさん。私は、ミナじゃない。天野ユイです。そして、私は、あなたのことを逮捕しに来ました」
コウキは、ユイの言葉に激しく動揺する。
ユイは、コウキの隙をつき、彼のパソコンから、信者たちから搾取した金銭の証拠を抜き取る。
その瞬間、高倉率いる刑事たちが駆けつけ、コウキは逮捕された。
ユイは、呆然と立ち尽くす信者たちに近づき、深く頭を下げた。
「みんな、ごめんなさい。…そして、さようなら。あなたたちには、ここではない、本当の居場所があります」
ユイの言葉に、信者たちは涙を流しながら、一人、また一人と『希望の家』を後にした。
ユイは、彼らの後ろ姿に「おつかれさま」と心の中でつぶやいた。
彼らは、ようやく、本当の自分を取り戻すことができたのだ。












第6話 しんじる

「今回のターゲットは、結婚詐欺グループだ」
佐々木ケンジは、今回の潜入捜査について説明を始めた。
「彼らは『エターナル・ラブ』と名乗り、富裕層をターゲットにした偽の婚活パーティーを主催している。だが、実態は、パーティーで知り合った相手から金銭を騙し取る詐欺集団だ」
安西アヤノは、ユイに高級ブランドのドレスを差し出した。
「ユイ、今回はセレブになりすましてもらうわ。このドレス、あなたに似合うはずよ」
ユイは、安西によって完璧なセレブに変身した。
煌びやかなドレスに身を包み、高級ブランドのバッグを手にしている。
高倉リョウは、ユイに告げた。
「ユイ、今回は特に気をつけろ。この詐欺グループのリーダーは、過去に結婚詐欺を働いた人物だ。とても用心深い」
ユイは、高倉の言葉に頷きながら、婚活パーティーの会場に足を踏み入れた。
会場には、ユイと同年代の男女が、華やかな服装で集まっていた。
「初めまして。私、サクラと申します」
ユイは、高倉から教わった偽名で、詐欺師のリーダー「ケンジ」に話しかけた。
ケンジは、ユイの美しさと上品な雰囲気に、警戒心を解いたようだ。
「サクラさん、初めまして。僕はケンジです。君のような素敵な女性に会えて嬉しいな」
ケンジは、ユイに甘い言葉を囁き、彼女を自分の世界に引き込もうとする。
だが、ユイは、ケンジの言葉が全て嘘だと知っていた。
『ユイ、油断するな。ケンジは、巧みな話術で相手の心に入り込むのが得意だ』
イヤホンから高倉の声が聞こえてくる。
ユイは、ケンジに恋人のフリをしながら、彼の警戒心を解いていった。
二人の関係は、次第に親密になっていく。
ユイは、ケンジがパーティーで知り合った女性たちから、金を騙し取っている証拠を掴む。
そして、ユイは、ケンジに最後の勝負を挑む。
「ケンジさん、私、あなたと一緒に逃げたいんです。私のお金、全部あなたに渡しますから」
ケンジは、ユイの言葉に驚く。
「ユイ…どうして、そんなことを?」
「ケンジさん。私は、あなたに愛されたいんです。だから、あなたのことを信じます」
ユイの言葉に、ケンジは涙を流した。
「ユイ、ありがとう。君のような人に会えて、僕は本当に幸せだ」
だが、ユイは、ケンジの言葉が演技だと知っていた。ユイは、ケンジに笑顔を向けた。
「ケンジさん、さようなら。もう、会うことはないでしょうね」
ユイは、ケンジにそう告げ、その場を後にした。
ケンジは、ユイの言葉に愕然とする。
その瞬間、高倉率いる刑事たちが駆けつけ、ケンジは逮捕された。
ユイは、ケンジに深々と頭を下げた。
「ケンジさん。あなたが、もう一度、誰かを信じることができますように。…またね」
ユイは、そう言って、ケンジに別れを告げる。
ユイの心の中には、ケンジに対する複雑な感情が渦巻いていた。
事件解決後、ユイは高倉に尋ねた。
「高倉さん、私、これでよかったんでしょうか? 彼を騙してしまったことに、罪悪感があります」
高倉は、ユイの言葉に静かに頷いた。
「ユイ、君がしたことは、人を救うための嘘だ。君が感じた罪悪感は、君が人間であることを示している。ユイ、これからも、君が信じる道を進め」
ユイは、高倉の言葉に涙を流しながら、空を見上げた。
彼女の瞳には、強い光が宿っていた。






















第7話 おつかれさま

「今回のターゲットは、IT企業の天才プログラマーだ」
佐々木ケンジは、今回の潜入捜査について説明を始めた。
「彼の名はカツオ。天才的なプログラミング技術を持つが、会社の金を横領し、行方不明になっている。だが、我々の情報では、彼は会社にいるはずだ。ユイ、君が新入社員になりすまして、彼の居場所を突き止めてくれ」
ユイは、安西アヤノによって、地味な服装と眼鏡を身につけ、真面目な新入社員に変身した。 「ユイ、今回も特に気をつけろ。このIT企業は、セキュリティーが非常に厳重だ」
ユイは、高倉リョウの言葉に頷きながら、IT企業のオフィスに足を踏み入れた。
オフィスには、ユイと同年代の社員たちが、パソコンに向かって黙々と作業をしていた。
ユイは、新人として社員たちに話しかける。
「はじめまして! 今日からお世話になります、ユイです!」
ユイの明るい挨拶に、社員たちは戸惑っていた。
ユイは、その様子に違和感を覚える。
『みんな、どこか元気がない…』
ユイは、社員たちに話しかけながら、カツオの情報を集めようとした。
しかし、社員たちは皆、カツオについて口を閉ざしていた。
「カツオさん…何か知ってる人、いませんか?」
ユイが尋ねると、社員たちは皆、目を伏せる。
その時、ユイは、一人の社員が持っているコーヒーカップに、見覚えのあるロゴが印刷されているのを見つけた。
そのロゴは、カツオがSNSで使っていたアイコンと同じものだった。
ユイは、その社員に話しかける。
「あの…そのコーヒーカップ、どこで手に入れたんですか?」
社員は、ユイの問いに驚く。
「これ…カツオさんが作ってくれたんです」
ユイは、その社員から話を聞き出す。
社員は、カツオが横領犯ではないこと、そして、彼が会社の不正を暴こうとしていたことをユイに告げた。
ユイは、高倉に報告する。
「高倉さん、カツオさんは、横領犯じゃないみたいです。会社の不正を暴こうとして、消されたんだと思います」
高倉は、ユイの言葉に驚く。
「本当か? もしそれが事実なら、この会社は、我々が思っていたよりも闇が深い」
ユイは、カツオが隠した不正の証拠を探すため、彼のデスクを調べることにした。
カツオのデスクには、誰も触れていないパソコンが置かれていた。
ユイは、宮本シンタロウに協力を求め、パソコンのパスワードを解除しようとする。
『ユイ、パソコンのパスワード、解除しました!』
宮本の声が、イヤホンから聞こえてくる。ユイは、パソコンの画面を開いた。
そこには、会社の不正が記録されたデータが隠されていた。
ユイは、震える手でデータをコピーしようとする。
その時、ユイは、パソコンの画面に表示されたメールに気づいた。
それは、カツオが会社を辞める直前に、誰かに送ったメールだった。
『おつかれさま。君のおかげで、僕は、ようやく自分の人生を生きることができる。ありがとう』
ユイは、そのメールを見て、カツオが会社の不正を暴こうとして、何者かに殺されたことを悟る。
ユイは、高倉に報告する。
「高倉さん、カツオさんは…殺されたのかもしれません」
ユイの言葉に、高倉は絶句する。ユイは、カツオの思いを無駄にしないため、警察に通報しようとする。
しかし、ユイは、警察官に逮捕されてしまう。
「ユイ、あなたを、公務執行妨害の疑いで逮捕します」
ユイは、呆然と立ち尽くす。
「なんで…私が…」
ユイの前に、高倉が現れる。高倉は、ユイに告げる。
「ユイ、君が信じたカツオは、我々が追っていた犯罪者だ。君は、その犯罪者を守ろうとした」
ユイは、高倉の言葉に絶望する。
ユイは、自分の信じていた正義が、全て嘘だったことに気づく。











第8話 おやすみなさい

「ユイ、あなたを公務執行妨害の疑いで逮捕します」
手錠をかけられたユイは、ただ呆然と立ち尽くしていた。
目の前には、ユイを逮捕しようとする警察官。
そして、ユイを裏切った高倉リョウの姿があった。
「なんで…高倉さん…私が…」
ユイは、高倉に裏切られたことに絶望していた。
高倉は、ユイの問いに何も答えず、ただ静かにユイを見つめていた。
その表情は、まるでユイを哀れんでいるかのようだった。
「…ユイ。君が信じたカツオは、我々が追っていた犯罪者だ。君は、その犯罪者を守ろうとした」
高倉の言葉に、ユイは絶望する。
ユイは、自分の信じていた正義が、全て嘘だったことに気づいた。
ユイは、高倉に激しく詰め寄る。
「嘘よ! カツオさんは、横領犯じゃない! 会社の不正を暴こうとして、消されたんだ!」
ユイの叫びに、高倉は何も答えない。
ユイは、安西アヤノと宮本シンタロウ、そして佐々木ケンジの姿を探すが、誰もいなかった。ユイは、孤独と絶望を感じながら、パトカーに乗せられる。
その夜、ユイは留置場で、高倉に裏切られたこと、そして自分の信じていた正義が全て嘘だったことに苦しんでいた。
その時、ユイのスマホに、一通のメールが届く。
『ユイ。今、君は、深い闇の中にいるだろう。だが、その闇の中に、一筋の光がある。その光を、見つけ出してほしい』
メールの送信者は、「おやすみなさい」という名前だった。
ユイは、そのメールに隠された暗号を解読する。
すると、そこには、ユイを救うためのヒントが隠されていた。
ユイは、高倉に裏切られたことに絶望していたが、「おやすみなさい」からのメールに希望を見出す。
ユイは、留置場から脱出し、「おやすみなさい」からの指示に従い、高倉の過去を探り始める。
ユイは、高倉が過去に潜入捜査で失敗した事件の真相を突き止める。
その事件は、高倉が信頼していた相棒に裏切られ、多くの仲間を失ったという、悲しい過去だった。
ユイは、高倉が自分を裏切ったのは、ユイを危険な目に遭わせないためだったことを知る。
「高倉さん…ごめんなさい…」
ユイは、高倉に謝罪の言葉を告げる。
ユイは、高倉の過去を知り、彼を許すことを決意する。
その時、ユイの前に高倉が現れる。高倉は、ユイに告げる。
「ユイ。君を危険な目に遭わせたくなかった。だから、君を裏切るしかなかった」
ユイは、高倉の言葉に涙を流す。
ユイは、高倉に抱きつき、「おやすみなさい」と心の中でつぶやく。
ユイは、高倉の過去の傷を癒すため、彼と共に戦うことを決意する。
そして、ユイは、「おやすみなさい」の正体が、チームのIT担当である宮本シンタロウであることを知る。
宮本は、ユイを救うため、そして高倉の過去を清算するため、独自に行動していたのだ。
ユイと高倉、そして宮本は、カツオの死の真相と、その背後にいる巨大な闇を暴くため、再び手を組む。
彼らは、それぞれの過去と向き合いながら、最後の戦いに挑む。























第9話 ありがとう

「ユイ、君は、もう一人じゃない」
高倉リョウの言葉に、ユイは涙を流した。
ユイは、高倉に裏切られたことに絶望していたが、彼がユイを守るために、孤独な戦いを続けていたことを知る。
ユイは、宮本シンタロウが送ってきた「おやすみなさい」からのメールに隠された暗号を解読し、高倉の過去の真相を突き止める。
高倉は、過去に信頼していた相棒に裏切られ、多くの仲間を失っていた。
ユイは、その悲しい過去を乗り越えるために、高倉と共に戦うことを決意する。
「高倉さん。あなたが背負ってきた過去は、私たちが一緒に背負います」
ユイの言葉に、高倉は何も答えない。
だが、彼の瞳には、ユイへの感謝の気持ちが宿っていた。
ユイと高倉、そして宮本は、カツオの死の真相と、その背後にいる巨大な闇を暴くため、再び手を組む。
彼らは、カツオが残したデータを分析し、彼の死が、IT企業の不正を隠蔽するためのものだったことを突き止める。
そして、ユイたちは、そのIT企業の社長が、高倉の過去の事件に関わっていたことを知る。社長は、高倉の相棒を裏切り、彼を陥れた張本人だった。
「…あいつは、絶対に許さない」
高倉は、憎しみに顔を歪める。ユイは、そんな高倉に寄り添う。
「高倉さん。一人で戦わないでください。私たちは、みんなで、あなたを支えます」
ユイの言葉に、高倉は我に返る。
「ありがとう、ユイ」
高倉は、ユイに深々と頭を下げた。
ユイは、高倉の言葉に涙を流す。
ユイは、高倉を救うため、そして、カツオの無念を晴らすため、最後の戦いに挑む。
ユイたちは、IT企業の社長が主催するパーティーに潜入する。
ユイは、セレブになりすまし、社長に近づく。
「社長さん、はじめまして。私、あなたの会社のファンなんです」
ユイは、笑顔で社長に話しかける。
社長は、ユイの美しさと上品な雰囲気に、警戒心を解いたようだ。
ユイは、社長に恋人のフリをしながら、彼の警戒心を解いていく。
そして、ユイは、社長の携帯電話から、高倉の過去の事件に関する証拠を抜き取る。
その瞬間、ユイは社長に正体がバレてしまう。
社長は、ユイの腕を掴み、彼女を拘束しようとする。
「ユイ、お前、何者だ!」
ユイは、社長の言葉に笑顔で答える。
「社長さん、ごめんなさい。私は、刑事です。あなたを逮捕しに来ました」
ユイの言葉に、社長は激しく動揺する。
その時、高倉率いる刑事たちが駆けつけ、社長は逮捕された。
ユイは、高倉に抱きつき、涙を流しながら「ありがとう」と告げる。
「ありがとう、高倉さん。私を信じてくれて。私を、刑事にしてくれて」
高倉は、ユイの言葉に涙を流す。
事件解決後、高倉は、ユイに告げる。
「ユイ。君のおかげで、僕は、ようやく過去と向き合うことができた。ありがとう」
高倉の言葉に、ユイは笑顔で答える。

























第10話 またね 

高倉リョウは、ユイに深々と頭を下げた。
「ユイ、ありがとう。君のおかげで、僕は過去と向き合うことができた」
高倉の言葉に、ユイは涙を流しながらも、笑顔で頷いた。
ユイは、高倉に裏切られたことに絶望していたが、彼がユイを守るために、孤独な戦いを続けていたことを知る。
高倉の過去の事件の真相が明らかになり、IT企業の社長が逮捕された。
だが、事件はまだ終わっていなかった。
IT企業の社長は、すべての罪を部下に押しつけ、自分は無罪を主張しようとしていた。
ユイは、高倉に告げた。
「高倉さん。まだ、終わってません。社長がやったことを、全部白日の下にさらしましょう」
高倉は、ユイの言葉に頷く。
ユイと高倉、そしてシャドウズのメンバーは、最後の作戦を立てた。
今回の作戦は、社長が隠したもう一つの証拠を突き止めること。
その証拠は、社長が過去の事件に関わった人物と交わしていたメールの中に隠されていた。
ユイは、社長の弁護士になりすまし、社長に近づく。
「社長さん、はじめまして。私、今日からあなたの弁護士になりました」
ユイの言葉に、社長は警戒心を解いたようだ。
社長は、ユイに自らの罪をすべて告白する。
ユイは、社長の言葉をすべて録音する。
その瞬間、ユイは社長に正体がバレてしまう。
社長は、ユイの腕を掴み、彼女を拘束しようとする。
「お前、何者だ!」
ユイは、社長の言葉に笑顔で答える。
「社長さん、ごめんなさい。私は、弁護士ではありません。私は、刑事です。あなたの罪を、すべて白日の下にさらします」
ユイの言葉に、社長は激しく動揺する。
その時、高倉率いる刑事たちが駆けつけ、社長は逮捕された。
事件解決後、ユイは、涙を流しながら、高倉に「ありがとう」と告げる。
「高倉さん、私、あなたがいてくれてよかったです。あなたが、私を信じてくれてよかったです」
高倉は、ユイの言葉に涙を流しながら、彼女を抱きしめる。
そして、シャドウズの解散式。
ユイと高倉、そしてシャドウズのメンバーは、最後の別れを告げる。
「ユイ、君は、もう一人前の刑事だ。君には、もう私たちの助けは必要ない」
高倉は、ユイにそう告げた。
ユイは、高倉の言葉に涙を流しながら、笑顔で答える。
「高倉さん。私は、高倉さんに出会えてよかったです。高倉さんに出会わなければ、今の私はいませんでした」
ユイは、高倉に深々と頭を下げた。
「高倉さん。…またね」
ユイは、そう言って、高倉に別れを告げる。
ユイは、新たな道を歩み始める。
そして、高倉もまた、ユイとの出会いを通して、新たな人生を歩み始めることを決意する。
ユイは、今日もどこかで、誰かを救うために、誰かの知らない秘密を暴いているだろう。
物語はここで幕を閉じる。
ユイと高倉、そしてシャドウズのメンバーたちの未来に、幸あれ。

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