幼なじみがこんなにも私に恋していたなんて
そう言うと南谷は俺に一歩ずつ近寄る。

「でも何も持ったりせずに来るのは間違いだと思うよ」

南谷の言葉に俺は身構えそうになったところでまたたく間に南谷に手刀を入れられ意識を手放す。

「み、ぉ・・・・・・」

最後にそう言うと南谷がふっと笑ったのが視界に入った。

*  *  *

南谷は母さんの従兄弟(いとこ)の子供。

つまり再従兄弟(はとこ)だ。

「仁!宜しくな〜!」

笑顔で俺に笑いかける南谷のことは俺にとって心底どうでも良かった。

それよりも澪の方が大事だったからだ。

ただ、あんな性格のくせに俺の態度がどれだけ冷たかったとしても何かあったら助けに来るのは南谷だった。

「な!親友!」

最初に親友と言われた時は少し。

ほんの少しだけ嬉しかった記憶があった。

澪以外に俺を俺という存在として受け入れられる人間は少なかった。

その少ない人間の中の一人に俺は出会った。

だからか、俺は信頼を寄せていた。

なのに―――。

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