鯨のうた
もし、今生まれ変われるなら、わたしは鯨になりたい。
鯨になって、ラブソングを歌われてみたい。
分かっている。
鯨には鯨の世界があって、生き抜く事がそんなに甘いものではない事を―――
しかし、また人間になりたいとは思わない。
人間ほど、醜い生き物はいないと、わたしは思っている。
この息苦しい、生きにくい世の中をつくっているのも人間だ。
人間は嫌いだ。
けれど、そんな事もないかもしれないと、雨龍課長と話して思った。
この気持ちはなんだろう。
雨龍課長と食べるご飯が美味しかったのは、何故だろう。
ただ単にあのお店のご飯が、雰囲気がそう思わせただけなのだろうか。
わたしはチキン南蛮を食べながら、またあのお店に行ってみようと思った。
今度は一人で···、一人で行ってどう感じるのか確かめてみたい。
そんな事を考えながら、わたしは食事を終え、洗濯機を回し、洗濯機が止まるまでの間にお風呂に入った。
その間、ずっと頭の中には、雨龍課長がいた。