鯨のうた

Story.3



雨龍課長と偶然"そよ風"で会い、二度目の食事を交わした後の休み明け。

わたしはいつもと同じ時間に家を出て、いつもと同じ時間の電車に乗り、いつもと変わらぬ時間に出社をした。

「おはようございます」

しかし、出社してみると、何故か営業部内の雰囲気がいつもと違うように感じた。
みんながわたしを見る視線が、何か違う。

(え、何なの?)

それでも、わたしは気にしないようにした。

みんなからの視線が変わったところで、わたしがこなす業務が変わるわけではない。
わたしは、いつもと変わらぬ一日を過ごすだけだ。

そう思いながら、わたしは営業さんたちのスケジュールを把握しながら、業務を進めていた。

すると、周りからわたしに聞こえるようにわざとらしく、噂話をする声が聞こえてきた。

「雨龍課長の彼女って、露草さんだったみたいね」
「らしいね。真面目で大人しそうな顔して、やるよねぇ〜」
「前は竹浪さんで、今回は雨龍課長。面食いだよねぇ」

それを聞き、わたしは(あぁ···そういう事か)と納得した。

そういえば、そんな噂をされる可能性があった事をすっかり忘れていた。

しかし、そんな噂をされたところで、わたしは気にしない。
くだらない···―――

(そんな噂をしてる暇があるなら、仕事すればいいのに)

わたしは聞こえていないフリをしながら業務を進め、それからお昼休憩の時間を迎えた。
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