鯨のうた

「今日はね、クリスマスだから、クリスマスメニューを持ってきたよ」

そう言って、雨龍課長は持参したのであろうお弁当箱を開ける。

すると、そこにはローストビーフにサラダチキンが詰め込まれていた。

「えっ!もしかして、これ···雨龍課長が作ったんですか?!」
「ローストビーフはね、仕込んでおいたやつ。サラダは買って詰め替えただけだよ」
「えぇ!なんかすいません、次はわたしが作るって約束だったのに···」

わたしがそう言い、顔の前で手を合わせると、雨龍課長は「最近は忙しくて、なかなか予定合わせられなかったからね」と言い、わたしに気を使ってくれた。

「仕事納め後になれば落ち着くし、その時にまたうちに来ない?そしたら、次は千衣が作った和食を戴くよ」
「はい、わかりました。頑張ります!」
「さあ、とりあえず食べよ食べよ。これに酒があればなぁ〜」

そう言いながら、雨龍課長はわたしに割り箸を手渡してくれる。
わたしはそれを受け取りながら「さすがに会社で飲酒はヤバいですね」と言って笑った。

「じゃあ、いただきまーす」
「召し上がれ」

そして、わたしが先に手を付けたのは、雨龍課長お手製のローストビーフ。
オニオンソースがかかった柔らかいローストビーフにわたし目を閉じて噛み締めると「美味し〜!」と感動した。

「本当?上手く出来てた?」

続いて雨龍課長もローストビーフを口へと運ぶ。
その出来栄えに本人も頷きながら納得しているようだった。
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