鯨のうた

そのあと、年越しそばを食べようかと話をしたが、すき焼きでお腹が一杯だった為、明日の朝に食べようという事になり、年越しを終えたわたしちはすぐに寝室へと移動した。

優作さんのベッドはフカフカのダブルベッドだ。
二人で並んで寝ても問題のない広さなのである。

先に優作さんが布団に入り、あとからわたしが布団に潜り込む。

(今日はよい夢がみられそうだ···)

そんな事を考えながら、わたしはぼんやりと天井を見上げていた。

すると、優作さんがわたしの方に身体を向け、横から優作さんの視線を感じる。
わたしはふと横を向くと、優作さんに「なんですか?」と尋ねた。

「んーー···千衣が、可愛いなって思って」
「いやいや、今スッピンですよ?」
「スッピンも充分可愛いよ。ずっと見てられる」

優作さんはそう言うと、わたしとの距離を詰めた。

「優作さん、酔ってます?」
「んー、そんなに酔ってはないよ?なんで?」
「いやぁ、褒めてくれるのは、酔ってるせいなのかな〜と思って」
「違うよ。俺はいつでも千衣を可愛いと思っているし、いつだって抱きしめたいし、キスだってしたいと思ってる」

優作さんの言葉にクスッと笑ったわたしは「え〜、そうなんですかぁ?」と照れ隠しをする。
すると優作さんは、わたしの腰に腕を回してきた。

「そりゃそうだよ。惚れた女性が隣に寝ていて、何とも思わない男なんていないよ」
「んー、でも···昨日は?」

わたしがそう訊くと、優作さんは苦笑いを浮かべた「あ、いや、昨日はね、」としどろもどろになりながら説明をし始めた。

「いや、女性が自分のベッドで寝るなんて、久しぶり過ぎてさ···、緊張して何にも出来なかったんだよ。まだ1日目なのに早すぎるかな?とか、ガツガツしてると思われたくないなぁとか色々考え過ぎちゃって···」

その言葉を聞き、わたしはホッとする。
自分に魅力がないというわけではなかったんだ。

優作さんなりに考えてくれていたんだ。
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