鯨のうた
わたしはクルッと身体を横に向け、横になったまま優作さんと向かい合った。
何とも言えない、少し恥ずかしくてドキドキする幸せな瞬間。
優作さんはギュッとわたしを抱き寄せると、わたしの髪を撫でた。
(こ、この雰囲気は···)
このあとの流れを想像し、緊張が高まる―――···
と思いきや···
抱き締められ、優作さんの腕の中に包まれたわたしを睡魔が襲う。
(ヤバい···安心と幸せで眠くなってきちゃった···)
わたしは必死に目をこじ開け続けようとした。
しかし、お酒が入っている事もあり、睡魔はわたしを追い詰める。
気付けば、わたしは睡魔に負け、夢の中へ誘われていた―――
そして、目が覚めたのは日が昇り、とっくに朝と言える時間を過ぎた11時26分。
「―――っっは!!!」
目を覚ますと、隣では優作さんがまだ眠っていた。
(わたし···寝ちゃった······やらかした!)
最悪だ。
優作さんをその気にさせるようなことを言っておいて、寝てしまうなんて―――
(もぉー!わたしの馬鹿!)
布団の中でわたしは大きな溜め息をついた。
すると、「おはよう」という、低い優しい声が響いた。
その声に過剰に反応したわたしは、ふと顔を上げる。
その視線の先では、まだ寝ぼけ眼の優作さんがわたしを見つめていた。
「―――あ、おはよう、ございます」
「もう11時過ぎてるの?久しぶりにめちゃくちゃ寝たなぁ〜」
スマートフォンで時刻を確認しながら、優作さんは言った。
「あ、あのぉ、ごめんなさい」
わたしが慌てて謝ると、優作さんは不思議そうに「ん?何が?」と言った。
「だ、だって···、わたし、先に···寝ちゃったので···」
「ふふっ、別にいいんだよ。可愛い寝顔眺めさせてもらえたし!」
「えっ?!」
慌てつつ、寝顔を眺められた事を恥ずかしがるわたしを見て、優作さんは優しく微笑む。
すると、優作さんは不意にわたしの額にキスをした。
「じゃあ、昨日の夜の続き、しよっか」