鯨のうた
甘く優しい優作さんの声。
わたしは、「え!い、今からですか?!」と声を上ずらせた。
「嫌?」
「あ、嫌とかじゃなくて!寝起きなので、臭かったら困るなぁって!」
わたしが焦ってそう言うと、優作さんは「ははっ」と笑った後で「寝起きなのは、同じだよ?」と言い、わたしに覆い被さった。
目が合い、見つめ合うわたしたち―――
わたしは緊張···いや、緊張というよりも(臭いって思われたらどうしよう!)という不安でいっぱいだった。
すると優作さんは、そんなわたしに微笑み掛けた。
「じゃあ、まずは一緒にお風呂に入ろうか」
その一言からわたしは優作さんと一緒にお風呂に入る事になった。
お風呂を沸かし、わたしは先に湯船に浸かって優作さんを待つ。
お洒落な内装に広い浴槽。
湯船は優作さんの配慮なのか、白い濁り湯で身体が見えづらくなっている。
(初めてのお風呂···)
緊張しないわけがない。
それにわたしは、自分の身体に自信がなかった。
正直、胸は大きい方ではない。
何なら小さい部類に入るほどだ。
過去に胸の小ささを指摘された事があり、自分でもコンプレックスだった。
すると、浴室のドアの向こうから「千衣、入るね」と優作さんの呼び掛けが聞こえてきた。
「あっ、はい!どうぞ!」
わたしがそう返事をすると、浴室のドアが開く。
優作さんが浴室に入ってくる足音が聞こえたが、わたしは顔を上げる事が出来ず、湯船を見つめていた。
それからゆっくりと湯船に入って来た優作さん。
優作さんは「ふぅ〜、あったかいねぇ」と言いながら湯船に浸かると、わたしの手を掴んだ。
「こっちおいで」
そう言い、優作さんの手に引かれるまま、わたしは優作さんの脚の間にすっぽりとおさまっていた。