最後まで読まないで

洗車機

父の運転で巨大な洗車機に入った。窓の向こうでブラシが猛スピードで回転し、バチバチと車を叩く。助手席にいる私は、嵐の中にいるようなこの非日常感が大好きだ。洗剤の泡と水しぶきで前が見えなくなり、「すごい迫力だね」と隣の運転席に話しかけた。やがて乾燥の風が吹きつけ、視界が晴れてきた。綺麗に磨かれたフロントガラスの向こうで、外にいるはずの父が笑顔で手を振っていた。
< 263 / 462 >

この作品をシェア

pagetop