最後まで読まないで

すれ違い

田舎の祖母の家の近くにある、古いトンネル。車一台がギリギリ通れる狭さだ。一人で歩いて入ると、前方から男の人が歩いてきた。道幅が狭いので、私は壁にぴったりと張り付いて道を譲った。男の人は無言で通り過ぎていく。トンネルを抜けてから、ふと思った。あの男の人、私とすれ違う時、一度も体を横に向けなかった。壁と私の間のあのわずかな隙間を、一体どうやって通り抜けたんだろう。
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