この縁談、謹んでお断りいたします〜身代わりお見合いのはずが、冷徹御曹司の運命の花嫁になりました
 グループの次期トップである宏臣が手を出すほどのものではない。
 否定はせず、カタンとスマートフォンをデスクに置く。

 「ですが、僕にとって大切な女性なので。彼女と結婚しようと思っています」

 日高の眉が、わずかに動く。

 「……彼女、というのは」
 「立原帆奈美さんです」

 間を置かずに答える。

 「彼女は三木愛理ではありません」

 確認するように言われ、軽く頷く。

 「身代わりだとわかった時点で、通常は怒りを覚えるのでは?」
 「そうでしょうね。でも彼女の場合は違った。だから余計に、と言ったほうがいいでしょうね」

 宏臣はわずかに目を細めた。

 「……奥様が聞いたら穏やかではいられませんね。三木愛理ならまだしも、立原帆奈美では東城家と格が違います」
 「結婚するのは東城の家でも母でもありません」

 あくまでも自分であり、決定権も宏臣自身にあると含ませる。
 しかし日高もなかなか引かない。
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