この縁談、謹んでお断りいたします〜身代わりお見合いのはずが、冷徹御曹司の運命の花嫁になりました
 【こんにちは。東城です。先日は楽しい時間をありがとうございました。愛理さんの結婚願望ゼロ宣言、とても印象的でした。よければ続きを聞かせてください。今週どこかで食事でもどうですか?】

 「は!?」

 つい大きな声が出た。
 お断りの連絡なんてものじゃない。食事のお誘いだ。

 (なんで!? 普通、そこ食いつく!?)

 結婚願望がないなんて、お見合いでは致命的だろう。
 クラブハウスサンドのおいしさが一気に吹き飛んだ。
 しばらく画面を見つめたまま固まっていたが、やがて意を決して文字を打ち込む。

 【こんにちは。先日はありがとうございました。ただ、あのときお話しした通り、私は結婚願望がなくて……。それでもよろしければ、ちょっとお会いするくらいなら大丈夫です】

 送信ボタンの上で、指が止まる。

 (いやいやいや、なに言ってるの私……。会ってどうする)

 自分で打った文章にツッコミを入れるが、このお見合いは愛理側から断るのはタブー。振るのではなく、振られなければならない。

 (……仕方ない。もう一度会って、しっかり振られよう)
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