この縁談、謹んでお断りいたします〜身代わりお見合いのはずが、冷徹御曹司の運命の花嫁になりました
 「……おかしい」

 宏臣は思わず笑いそうになり、視線を逸らした。
 愛理はおそらく、本気でこの縁談を壊そうとしている。だから次々と、結婚相手として不向きそうな話を並べているのだろう。
 だが、その努力はことごとく空回りしている。そしてなにより、その様子がじつに面白い。

 宏臣はナイフを手に取り、肉をひと口大に切り分けた。

 (さて、次はなにを言いだすだろうな)

 そんなことを考えている自分に気づき、内心で苦笑する。
 どうやらこの食事は、まだしばらく退屈しそうになかった。
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