この縁談、謹んでお断りいたします〜身代わりお見合いのはずが、冷徹御曹司の運命の花嫁になりました

 宏臣から連絡があったのは、その三日後のことだった。
 タカラ製菓はもちろん、同僚たちのフォローで目が回るほど忙しく、お昼もろくに食べずにパソコンに向かっていたそのとき。デスクの上でヴヴヴと震えたスマートフォンの画面を見て、忙しなく動いていた思考が止まった。
 宏臣の名前が表示されていたのだ。

 愛理にはもう会わないと言ったものの、この前の食事のあと、彼にははっきりとそう告げてはいない。彼にそう言わせてもらえなかったのもあるが、帆奈美自身もこのまま会えなくなるのは寂しい気持ちが芽生えていたせいだ。

 「はい、立原です」

 応答をタップして耳にあてる。

 《今ちょっといいか?》
 「仕事が立て込んでいるのでちょっと……」

 タカラ製菓へ提出する資料ができていない。そろそろ期限的にも厳しいだろう。

 《五分、いや三分で済ませる。今、手元に資料はあるか?》
 「……資料?」
 《タカラ製菓の》
 「えっ?」

 なにがなんだかわからず、頭の中にクエスチョンが行進する。

 《そことの仕事がキミを悩ませてるんだろ?》
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