婚約が嫌で男装執事になったのに~配属先が婚約者の元でした~【完】
見れば見るほど可愛いらしい目の前の彼女は、男でないのは確実だった。
「君は……、女の子だったんだね?」
「……っ」
黙り込む彼女に静かに問いかけたその時
タイミング悪く上の方からおやつを取りにいっていたレオの声が聞こえてきた。
「おーい!アルー!リオー!どこだよー!」
はぁー…、流石に子供のレオには彼女のこの姿を見せるわけにはいかないね。
俺はすぐに彼女の近くによると、耳元に顔を寄せ小さな声で囁く。
「……静かにしててね」
彼女の華奢な身体をぐっと抱き寄せる。
レオから見えないように腕でぎゅっと俺の胸の中へ包み込むと、小さな彼女を隠した。
「おーい!レオー!リオならレオを追いかけて屋敷に戻ったから探してきてくれないかー!」
レオに向かって大声で嘘を叫ぶと、上からは
「はー?リオのやつ本当バカなの?!ほんとどこいきやがった!」
怒ったレオの文句が聞こえると、再び走り去っていく足音が聞こえてほっとした。