婚約が嫌で男装執事になったのに~配属先が婚約者の元でした~【完】
リリィside
「……え?」
私は今芝生の上ではなく、とてもいい匂いのする誰かのたくましい腕に抱き止められていた。
顔をあげると、目の前には息を飲むほど美しく整った顔。黒いサラサラの黒髪の隙間から覗く、青い瞳が私を見つめている。
ま、まって?!え?!ギル・レイヴン?!
私は目の前に彼がいることが信じられなくて、なんで?!?と固まっていると、目の前の彼はふっ…と不敵な笑みを浮かべ意地悪くこう言った。
「おや、とても元気な病人だね?リリィ嬢」
耳元で囁かれるのは、甘く綺麗な声。
そんな声にビクッとする私は、焦る。
やばいやばいやばい……っ!怒ってる?!
一番会いたくない人に会ってしまった!