婚約が嫌で男装執事になったのに~配属先が婚約者の元でした~【完】
そんなことを考えていると、目の前の男は一瞬私をチラリと見ると甘く微笑む。
な、なんだろう……とても嫌な予感がする……。
すると、お父様にとんでもないお願いをするのだ。
「ロゼッタ侯爵。今回は、突然の訪問で申し訳ございません。私は今回リリィ嬢にお願いがあり訪問させて頂きました」
そう言ってお父様の前では完璧な猫をかぶる礼儀正しいギル様。
「ほぉ…うちのお転婆娘にお願いとは…?」
するとギル様は、そっと私に近寄るとお父様に聞こえない小さな声で私を脅してくるのだ。
「次回の夜会で君に俺のパートナーとして同伴を頼みたい……断ったりしないよな?
……前回の件、とても騒ぎになっている」
「……へっ……」
な、なにこの人……!!!私を脅してる?!
とんでもない……っ!悪魔だっ!!
……バレたら終わる……!
断れないように釘を指し、静かに綺麗な顔で笑うギル様は、私には悪魔に見えた。
ギル様を池に突き落とした令嬢とバレれば、きっと大変なことになる。
そうなれば、私の自由な生活は……完全に終わる。