婚約が嫌で男装執事になったのに~配属先が婚約者の元でした~【完】
私は頭を傾げて考える。
私ってそんなに頼りなく見えるのかな?
かなり男の子らしくなったのに、おじさんには分からないのかな?この男らしさがっ!
それに、おじさん甘いわねっ!
私はこう見えて人生経験豊富なんだからっ!
前世はモラハラDV男と過ごしていた過去を持っているんだから余裕よっ!
あの日々に比べたらどんなこともへっちゃらな気がした。
やる気がますます出てきた私は、元気よくおじさんに返事をする。
「僕はこう見えて気合いは人一倍あるんです!!そこでお願いします!!」
元気よく返事をする私におじさんは、優しく笑うと契約書を差し出してきた。
「おぉ、そうかい。じゃあがんばっておいで。これが契約書だよ、サインをしたらこれで契約成立だ!」
「はぁ〜いっ!」
──そして浮かれていた私は、契約書をよく読まなかった。
裏には、レイヴン公爵家の名前が書いてあることに、まったく気づかずサインをするのだった。