婚約が嫌で男装執事になったのに~配属先が婚約者の元でした~【完】

気になった俺は席から立ち上がると、その少年に近寄る。



少年の顔を近くで覗き込むとさらに驚く。

見れば見るほどリリィに似ている。



だが……、髪の毛の色がちがう。



俺がじろじろと少年を見つめていると、ビクッと怯える。



その時に、侯爵邸でリリィを抱きとめた時と同じ甘く心地のいい匂いがこの少年からかおる。



この瞳に匂い……は?


ここまでリリィと一致することがあるか?
親戚かなにかか……?
それとも……リリィ……?



いやまて……それはない……。



だけど、もしそうだとしたら、なぜ男装してここにいる……?


意味がわからない……流石にここにいるわけがない、よな?



……なにより髪の色がまったく違う。



まだ確証はないがとてもリリィに似ている不思議な少年が、このタイミングで俺の目の前に現れた。



この少年は、傍に置き調べる価値がある。



ここでリリィの名前を出して、もし何かを知っているのならば逃げる可能性がある。




それならば目の前の少年に問い詰めるのは辞めた方がいい。何よりまだ確証はない。


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