今日はここまで、ここから一緒に〜君と作る未来〜
「企画畑の方を、現場に入れるのは歓迎です」
意外な一言だった。
わたしが「え」と顔を上げると、
快浬さんの唇がわずかに動く。
「ただし、条件があります」
やはり、そう簡単ではない。
「まずは、ラインの流れと、現場の制約をきちんと理解していただきたい」
快浬さんの声には、
冷たさというより、硬さがあった。
何度も同じことを経験してきた人間の、
ある種の疲れのようなものが滲んで見える。
「机上のアイデアだけで現場を振り回されるのは、もう沢山ですので」
〝もう沢山〟。
それは、
過去に何人もの『アイデアマン』がこの会社に来ては、
現場をかき回し、
形にならない企画だけを残して去っていったことを示していた。
わたしは、自分の中に浮かび上がる反発心を、
ぐっと飲み込む。
――分かる。
前の会社でも、
『現場を知らない企画』のひずみを、
たくさん見てきた。
だからこそ、
自分は『現場の言葉』からコンセプトを組み立てたいと思っていたのだ。