今日はここまで、ここから一緒に〜君と作る未来〜
けれど、その数分後。
「ねえ快浬、ここの味付け、〝昔よく作ってくれたパスタ〟に似てない?」
玲奈さんの言葉が、また空気をざわつかせる。
「ほら、あのときの――」
「玲奈」
快浬さんの声色が、すっと冷えた。
その場にいた誰もが、
わずかに身動きを止める。
「ここは、暁の体験イベントです。私的な思い出話は、控えてください」
玲奈さんの目が、驚いたように見開かれる。
「……ごめん」
わたしも、高梨さんも。
その場にいたスタッフ全員が、
〝あ、今はっきり線を引いた〟と感じ取った。
——今のは、
〝仕事モードだから〟ってだけじゃない。
胸の奥で、何かが静かに灯る。