今日はここまで、ここから一緒に〜君と作る未来〜
ひと通り話を聞き終えると、
社長はホワイトボードの前に立った。
「シェアが一位でも二位でも、やるべきことは変わらん」
『1』と『2』の数字を、横に並べて書く。
「市場全体が縮小傾向にある中で、どの会社も、生き残ること自体が難しくなってきている」
「その中で、〝一瞬でも一位を取り返した〟という事実は、間違いなく価値があるはずだ」
社長は、会議室をゆっくり見渡した。
「快浬は、その〝価値〟を次の〝約束〟につなげるために動いている。――少なくとも、社長として、父親として私はそう信じている」
誰も、何も言えなかった。
「〝逃げたんじゃないか〟と、陰で言うのは別に構わん。人間、弱い生き物だからな」
社長の目が、一瞬だけ鋭く光る。
「だが、〝逃げた〟と決めつけるのだけは、もう少しだけ待ってやってくれ」
その一言で、会議室の空気は、
ほんの少しだけ引き締まった。
わたしは、社長の横顔を見ながら思う。
——この人も、〝信じる側〟に立ってる。
その事実が、なぜか自分の心を強く支えてくれた。