今日はここまで、ここから一緒に〜君と作る未来〜





快浬さんが戻ってきたのは、
それからさらに数日が経った、
ある月曜日の朝だった。

いつものようにフロアに入ると、
どこかの席から小さなざわめきが起きる。



「……快浬本部長、戻ってきたって」



振り返ると、スーツケースを引いた快浬さんが、
まっすぐ自分の席へ歩いていくところだった。

日焼け、というほどではないが、
顔色には旅の疲れがにじんでいる。

それでも、その足取りには迷いがなかった。



「おはようございます」



いつもと変わらない挨拶。

だが、フロアの空気は明らかに変わっていた。



「どこ行ってたんですか、本部長。探したんですよ」



「このタイミングでいないとか、さすがに――」



責め口調と、好奇心と、不安。

さまざまな感情が混ざった声が飛ぶ。

快浬さんは、
それらをすべて受け止めるように一度うなずき、
フロア全体に届くような声で言った。



「ご心配、ご迷惑をおかけしました。本日の午後、全体説明の場を設けさせてください」



それだけ告げると、神田部長のほうを向いた。



「部長、よろしいでしょうか」



「……ああ。会議室、押さえておく」
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