今日はここまで、ここから一緒に〜君と作る未来〜
デザートの前。
メインの皿が下げられたタイミングで、
快浬さんがふっと真顔になる。
「……最後の一皿だけ、ルールを変えてもいいですか」
「ルール?」
「〝デザートのあいだだけ、仕事の話は禁止〟にしたい」
「さっきまで、半分以上仕事の話だった人のセリフとは思えません」
「自覚はあります」
その自嘲気味な笑い方が、
少しだけ切なく見えた。
「だからこそ、最後の一皿くらいは、きちんと〝仕事じゃない話〟をしたいんです」
その言葉に、
わたしの心臓が、ひときわ強く鳴る。
白い皿の上に、
小さなチョコレートケーキと、ベリーのソースと、ひとかけらのアイスが乗ったデザートが運ばれてくる。
ろうそくはない。
誕生日でも、記念日でもない。
ただの、『今日』という一日の締めくくり。