今日はここまで、ここから一緒に〜君と作る未来〜
「――こういうのを、世間では〝好き〟と言うのでしょうか」
快浬さんは、照れではなく、
どこか本気で困っているような顔をしていた。
「それとも、もっと別の〝好き〟なのでしょうか」
ふっと笑ってから、真っ直ぐにわたしを見る。
「春日さん」
「……はい」
「僕は、あなたのことを、〝好き〟と言っていいのかどうか、ずっと迷っていました」
その一文で、胸の奥が、
きゅっと締め付けられる。
「立場とか、過去の失敗とか、父との関係とか」
「いろいろなものを言い訳にして、〝これは仕事上の信頼だ〟と、自分に言い聞かせてきました」
キャンドルの炎が、少しだけ揺れる。
「でも、〝逃げたんじゃない〟って信じてくれて、〝お帰りなさい〟って迎え入れてくれた日のことを思い出すたびに」
「もう、ごまかしようができなくなりました」
快浬さんは、
まるで報告書を読み上げるように、
丁寧な口調で言う。
「だから、これはもう、列記として〝好き〟と呼ぶしかないのだと思います」
それは、どこまでも不器用で、
どこまでも真っ直ぐな告白だった。