今日はここまで、ここから一緒に〜君と作る未来〜
「春日小春さん」
改めて、名前を呼ばれる。
「僕は、あなたのことが、好きです」
静かな店内に、
その言葉だけがはっきりと響いた。
一瞬、時間が止まったように感じた。
頭のどこかで、
『ここでちゃんと返事をしないと』と分かっているのに、
心臓ばかりが先に走っていく。
「……ずるいです」
ようやく出てきた言葉は、
自分でも驚くほど小さかった。
「ずるい、ですか」
「そんな、〝プレゼンみたいに告白〟されて、断れる人なんていますか」
泣き笑いみたいな声で、わたしは続ける。
「私だって、ずっと、〝これは尊敬だ〟って言い訳してきたのに。快浬さんのこと考えて、仕事頑張れる日が増えても、〝それはプロジェクトリーダーだからだ〟って。〝逃げたんじゃない〟って、誰かに笑われても信じられたのも、〝上司だから〟って自分に言い聞かせてきたのに」
テーブルの下で、膝の上に置いた手が震えている。
「でも、〝お帰りなさい〟って言ったとき、気づいたんです。〝上司〟とか〝プロジェクトリーダー〟とか、全部取っ払っても……快浬さんがここにいる、それだけで、わたしは一人じゃないんだと」
深呼吸を一度。