今日はここまで、ここから一緒に〜君と作る未来〜
*
連休明けの月曜。
暁のエントランスには、
いつもと同じ朝のざわめきがあった。
違うのは、わたしの心臓の音だけだった。
——落ち着け。今日は〝仕事モード〟。
打刻を済ませてエレベーターに乗ると、
数秒遅れて、快浬さんが滑り込んできた。
「失礼します」
周囲へのいつもの丁寧な声。
目だけが、一瞬だけわたしを捉える。
ほんの一秒。
それだけで、
週末までの出来事が全部フラッシュバックする。
あの『好きです』の声も、
『ここから』の笑顔も。
だが、エレベーターの中で交わした言葉は、
ただ一つだけだった。
「資料、ありがとうございます。あとで確認しておきます」
「はい。本日中に修正版も送りますね」
事務的な会話。
けれどわたしには、
その何でもないやりとりさえ、
少しだけくすぐったく感じられた。
——知らないふりしてるけど、
〝知ってる二人〟なんだ。