今日はここまで、ここから一緒に〜君と作る未来〜



連休明けの月曜。

暁のエントランスには、
いつもと同じ朝のざわめきがあった。

違うのは、わたしの心臓の音だけだった。


——落ち着け。今日は〝仕事モード〟。


打刻を済ませてエレベーターに乗ると、
数秒遅れて、快浬さんが滑り込んできた。



「失礼します」



周囲へのいつもの丁寧な声。

目だけが、一瞬だけわたしを捉える。

ほんの一秒。

それだけで、
週末までの出来事が全部フラッシュバックする。

あの『好きです』の声も、
『ここから』の笑顔も。

だが、エレベーターの中で交わした言葉は、
ただ一つだけだった。



「資料、ありがとうございます。あとで確認しておきます」



「はい。本日中に修正版も送りますね」



事務的な会話。

けれどわたしには、
その何でもないやりとりさえ、
少しだけくすぐったく感じられた。


——知らないふりしてるけど、
〝知ってる二人〟なんだ。
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