今日はここまで、ここから一緒に〜君と作る未来〜
昼休み。
社員食堂へ向かうエレベーターの前で、
わたしは高梨さんに捕まった。
「ねえ、春日さん」
「はい?」
「最近、快浬さんと、なんか〝空気〟変わった?」
唐突な問いに、スプーンを落としそうになる。
「ど、どんな空気ですか」
「んー、〝仲悪くなったわけじゃないのに、妙に距離感が慎重〟みたいな」
図星の方向から、
予想以上に正確な表現が飛んできて、
心臓が止まりかけた。
「い、いえ、特には」
「ふーん?」
高梨さんは、
わざとらしくじっとわたしの顔を見る。
「まあ、心配してるだけだから。最近仕事しすぎだから」
意地悪そうに笑ってみせるものの、
その目は、どこか優しかった。
「もし、〝ここからどうしたらいいか分からない〟ってなったら、ちゃんと相談してね。って言っても、そんな心配いらないか」
「……何の話ですか」
高梨さんは「さあね」とぼけてみせて、
先にエレベーターに乗り込んでいく。
——やっぱりこの人、何かしら勘づいてる。
でも、問い詰めることはしない。
その距離感が、ありがたくもあり、
逆にドキドキもさせた。