今日はここまで、ここから一緒に〜君と作る未来〜

その日の夕方。

開発フロアに、社長がひょっこり顔を出した。



「みなさん、今いいですか」



ざわっと、フロアの空気が揺れる。



「先日のCM、反応よかったです。例のサッカー選手夫妻も、〝現場の雰囲気がよかった〟と言っていました。第二回もよろしくお願いします」



「ありがとうございます」



快浬さんが、代表して頭を下げる。



「特に、快浬と春日さんの掛け合いが、一番良いんだそうだ」



その一言で、
隣の席の誰かが吹き出しそうになるのを、
わたしは感じた。



「〝あの二人、本当に〝息ピッタリ〟ですね〟と褒めていたよ」



「それは光栄です」



快浬さんは、
さして動じる様子もなく、淡々と受ける。

社長は、
その様子を眺めながら、ふっと目を細めた。



「仕事上の〝チーム〟としても、プライベートの〝チーム〟としても、長く続くといいな」



一拍置いてから、さらりと付け足す。



「……どういう意味でしょうか」



快浬さんの声が、わずかに低くなる。



「さあな。〝父親として〟君たちをを見てると、二人が並んでるだけでいろいろ見えてくるもんだ」



そう言って、さっさと引き上げていった。


——絶対、気づいてる。


わたしは、
顔が熱くなるのを必死にごまかしながら、
モニターに視線を戻した。
< 150 / 200 >

この作品をシェア

pagetop