今日はここまで、ここから一緒に〜君と作る未来〜
近くのスーパーに寄り、かごを一つ。
「何が食べたいですか」
「うーん……〝一日の終わり〟に食べたいもの」
「抽象度が高いですね」
「じゃあ、〝明日もちゃんと頑張ろうって思えるご飯〟」
さらに抽象度が上がった。
「それは難題ですね」
と言いながら、
快浬さんは迷いなく野菜売り場へ向かう。
「疲れている日に、僕が食べたくなるのは、〝ちゃんとしたスープ〟です」
「ちゃんとした?」
「具だくさんで、〝これさえ飲めば大丈夫〟って思えるやつ」
玉ねぎ、にんじん、セロリ。
鶏肉と、ハーブ少々。
「じゃあ、メインは?」
「春日さんは最近、自炊してませんでしたよね」
「なぜ分かるんですか」
「コンビニのレシートが、デスクのゴミ箱に増えていたので」
細かいところまで見られていたことに、
うれしさと恥ずかしさが同時に込み上げる。
「なので、今日は〝包丁をたくさん持たなくていいメニュー〟にしましょう」
「気遣いの方向が、仕事と同じすぎませんか」
「職業病です」
そう言いながら、
鶏肉と同じくフライパン一つで作れる料理を選んでいく。
かごの中には、
シンプルだけど温かい食卓が浮かぶ食材が揃い始めていた。