今日はここまで、ここから一緒に〜君と作る未来〜
少し離れたところで、
作業員たちが手際よく板を並べ替えていた。
——教科書で読んだ〝多品種少量生産〟って、
こういうことなんだ。
わたしは、目の前の光景と、
自分のノートに書いた言葉を必死につなげようとした。
加工ラインでは、
扉の木目を一枚ずつ確認している担当者がいる。
色味や節の位置を目視でチェックし、
〝ここは表面〟〟ここが上側〟と小さなカ加工ードを貼っていく。
「この工程、全部デジタル化しないんですか?」
思わず口をついて出た質問に、
現場長は少し笑う。
「やろうと思えばできます。でも、〝裏表によって違う材質、縦目か横目かの識別〟は、まだ機械には難しくてね」
快浬さんが、横から静かに補足する。
「デジタル化で全てが良くなるとは限りません。〝現場の目〟が残っているのが、暁の強みの一つなんです。ただ、それを〝職人技〟で終わらせない仕組みが、まだ足りていない」
その言葉に、現場長もうなずいた。
「だから、春日さんたちの商品企画には、〝現場の技術〟を落とし込める仕掛けを期待してるよ」
わたしは、胸の内でメモを取るような気持ちで頷いた。
——〝現場の技術を、
毎日の暮らしに運ぶ仕組み〟……それが、
私たちの仕事なんだ。