今日はここまで、ここから一緒に〜君と作る未来〜
「はい、カット!」
監督の声が響く。
「いいですね。〝共働きあるある〟感、ちゃんと出てます」
そのコメントに、快浬さんが小さくうなずく。
「春日さん」
「はい」
「〝無理しないで〟のタイミング、もう少しだけ早めてもいいかもしれません」
「ですよね。今の入り方だと、まだ〝全然余裕ある〟ってなっちゃうかも」
真剣な顔で話し合っているとき。
ふと、隣のメイキングカメラが、
こちらを向いていることに気づいた。
「おふたりの〝開発者会議〟、めちゃくちゃ〝夫婦会議〟に見えるんですよね」
カメラマンが、さらりと言う。
「ちょっと、笑いながら相づち打つタイミングとか」
「完全にシンクロしてます」
「し、シンクロ?」
わたしが目を丸くする。
「今の、〝ですよね〟って言うときも、同じタイミングで同じ方向見て、同じ速度でうなずいてたんですよ」
「そんなこと、あります?」
「あります。長年連れ添うと、そうなるんですよねー」
カメラマンが、隣の本物の夫婦に視線を送る。
「ね?」
「なりますね」
選手が、あっさり認める。
「うちも、試合のこととか子どものこと話してるとき、だいたい同じタイミングで〟うん〟って言うって、周りからよく言われます」
「つまり、おふたりも、そういうことですよ」
「そういうことではないです」
快浬さんが、珍しく即答した。
その早さに、
カメラマンが「否定、早っ」と、
ニヤリとする。