今日はここまで、ここから一緒に〜君と作る未来〜
*
数日後。
お昼の情報番組で、CalmaのCMが取り上げられた。
『続いては、共働き世代の心をつかんだ〝あのキッチンCM〟です』
スタジオの大画面に、例のCMが流れる。
『〝今日はここまでライト〟、欲しい〜!』
『〝家族の時間〟って、確かにないかも』
コメンテーターたちが、好き勝手にコメントする。
『暁って、昔からあるメーカーだけど、こんな柔らかいメッセージ出してきたの、ちょっと意外ですよね』
『そうそう。〝頑丈〟〝長持ち〟みたいなイメージだったのが、一気に〝優しい〟〝寄り添う〟感じになった』
『〝暁っぽくない〟って思った人、いい意味で多いと思います』
社内の休憩スペースで、
その番組を見ていたわたしは、
胸の奥がじんと熱くなった。
——〝暁っぽくない〟じゃなくて、
〝これからの暁っぽさ〟になっていけばいい。
ガラス越しに見えるオフィスの風景が、
少しだけ違って見えた。
営業からは、次々と現場の声が共有される。
『お客様のほうから、〝家族の時間を守るキッチンのやつください〟って言われた』
『〝このCMの夫婦みたいになりたい〟って言いながら、ご夫婦でCalmaを選んでくれた』
『〝前から暁さんのキッチンは好きだったけど、このCMで決めました〟と言われた』
「〝決めました〟って、いい言葉ですね」
わたしは、レポートを読みながら呟く。
「〝迷っていた人の背中を押せた〟ってことですからね」
快浬さんが、後ろから静かに言う。
「プロジェクトって、最後は〝誰かの決断の理由〟にしてもらえるかどうか、だと思うので」
「……それ、仕事以外にも、当てはまりますね」
わたしがぽつりと言うと、快浬さんは一瞬だけ目を丸くしてから、笑った。
「そうかもしれません」