今日はここまで、ここから一緒に〜君と作る未来〜



数日後。

お昼の情報番組で、CalmaのCMが取り上げられた。



『続いては、共働き世代の心をつかんだ〝あのキッチンCM〟です』



スタジオの大画面に、例のCMが流れる。



『〝今日はここまでライト〟、欲しい〜!』



『〝家族の時間〟って、確かにないかも』



コメンテーターたちが、好き勝手にコメントする。



『暁って、昔からあるメーカーだけど、こんな柔らかいメッセージ出してきたの、ちょっと意外ですよね』



『そうそう。〝頑丈〟〝長持ち〟みたいなイメージだったのが、一気に〝優しい〟〝寄り添う〟感じになった』



『〝暁っぽくない〟って思った人、いい意味で多いと思います』



社内の休憩スペースで、
その番組を見ていたわたしは、
胸の奥がじんと熱くなった。


——〝暁っぽくない〟じゃなくて、
〝これからの暁っぽさ〟になっていけばいい。


ガラス越しに見えるオフィスの風景が、
少しだけ違って見えた。

営業からは、次々と現場の声が共有される。



『お客様のほうから、〝家族の時間を守るキッチンのやつください〟って言われた』



『〝このCMの夫婦みたいになりたい〟って言いながら、ご夫婦でCalmaを選んでくれた』



『〝前から暁さんのキッチンは好きだったけど、このCMで決めました〟と言われた』



「〝決めました〟って、いい言葉ですね」



わたしは、レポートを読みながら呟く。



「〝迷っていた人の背中を押せた〟ってことですからね」



快浬さんが、後ろから静かに言う。



「プロジェクトって、最後は〝誰かの決断の理由〟にしてもらえるかどうか、だと思うので」



「……それ、仕事以外にも、当てはまりますね」



 わたしがぽつりと言うと、快浬さんは一瞬だけ目を丸くしてから、笑った。



「そうかもしれません」
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