今日はここまで、ここから一緒に〜君と作る未来〜



日曜の午後。

快浬さんの部屋のローテーブルに、
数枚のコピー用紙とノートパソコンが並んでいた。



「本日は、〝同棲プラン会議〟の第一回です」 



快浬さんが、真顔でそう宣言する。



「会議って言われると、一気に緊張するんですけど」



「議題はシンプルです。〝どんなキッチンで、一緒に暮らしたいか〟」



テーブルのいちばん上の紙には、
二人分のイニシャルと、
『新居候補A〜C』と書かれた一覧表。

間取り図のプリントには、
すでに赤ペンで、
キッチンのカウンターの高さやコンセント位置まで書き込まれていた。



「さすが、仕事が早いですね」



「ここだけは、どうしても譲れないところなので」



「キッチン回りから決める同棲準備って、いかにも暁っぽいです」



笑いながら、わたしは間取り図Aを覗き込む。



「ここにCalma入れて……ここに〝今日はここまでライト〟を付けて……」



「コンロの横に、〝ふたり分のマグカップ固定位置〟を設けたいんですが」



「固定位置?」



「帰ってきたら、そこにマグカップを置くところから、一日が始まるような気がして」



そのイメージが、驚くほど簡単に頭に浮かぶ。

仕事で疲れて帰ってきて、
並んでキッチンに立って、
ライトの下でお湯を沸かす、
何でもない夜。



「……いいですね、それ」



「では、〝マグカップゾーン〟は必須要件ということで」



快浬さんが、さらりと図面の端に書き込む。
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