今日はここまで、ここから一緒に〜君と作る未来〜
その数か月後。
暁の会議室に、
見覚えのある横顔が現れた。
「本日はお時間をいただき、ありがとうございます」
緊張した声で一礼する、
スーツ姿の春日小春さん。
暁の採用面談という形で、
僕は部屋の後ろ側に立って彼女を見守った。
彼女はこちらを横目で確認すると、
すぐに視線を戻す。
「初めまして、合同プロジェクトで、御社とご一緒させていただいたことがあります。春日小春です」
「その節は、お世話になりました」
「こちらこそ」
小さな会釈。
それだけの会話で、
あの日以来の記憶が一気に蘇る。
面談は形式的な質問よりも、
彼女の〝今〟を聞く時間だった。
「今の会社で、不満はありますか」
「不満というか……」
彼女は慎重に言葉を選ぶ。
「ユーザーの声を拾うこと自体は、今の会社も大事にしてくれていると思います」
「ですが?」
「そこから先を〝どう変えるか〟のところで、どうしても、コストや効率の話が前に出てしまって」
黙って続きを待つ。