今日はここまで、ここから一緒に〜君と作る未来〜
「〝この人の暮らしをどうしたいか〟という視点が、埋もれてしまうことが多いんです」
やはり、と思った。
「それを変えたいと?」
「はい。せっかく声を聞かせてもらっているのに、〝聞きっぱなし〟にしたくはないので」
彼女の指が、膝の上で小さく丸まる。
「うちも、似たような問題を抱えています」
面接官がそう答えると、彼女は驚いた顔をした。
「暁さんが、ですか」
「歴史が長い会社ほど、〝できること〟から発想しがちです。〝誰のためか〟を最初に置ける企画担当は、実はかなり貴重なんですよ」
彼女は戸惑ったように笑った。
「そんなふうに言ってもらえたの、初めてです」
その笑い方が少しだけ悔しそうで、
本気で『もったいない』と思った。
だから、
あのとき面接官が言ってくれた言葉は、
僕自身の言葉でもだった。