今日はここまで、ここから一緒に〜君と作る未来〜



その日、
わたしは一人で駅前の商業施設に来ていた。

暁のキッチンのモデルの下見で、
テナントのキッチン売り場を見て回った帰りだった。

メモ帳には、
他社モデルの展示方法や、通路の幅、
来店客の動線のメモがびっしりと書き込まれている。



「もう一件だけ、見ておこうかな」



そうつぶやいて、
ビルを出ようとしたときだった。

自動ドアの向こう側から、
見覚えのある横顔が歩いてくるのが目に入った。

黒に近いチャコールグレーのコート。

きちんと結んだネクタイ。

わずかに伏せられたまなざし。

快浬さんだった。


——え……快浬さん?


思わず足を止める。

すぐ隣には、ひとりの女性が歩いていた。

肩までの柔らかな髪。

落ち着いたベージュのコート。

細いヒールのパンプス。

姿勢がよく、横顔の輪郭が驚くほど整っている。



「……綺麗」



わたしは、心の中でそう呟いてしまった。
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