今日はここまで、ここから一緒に〜君と作る未来〜
快浬さんは、その女性と並んで歩きながら、
何か穏やかに話している。
仕事のときのような硬さはなく、
かといってふざけているわけでもない。
ちょうど、
長年の気心知れた仲と話すときの、
自然な距離感。
女性が何かを言い、快浬さんがわずかに笑う。
その笑い方が、
社内ではほとんど見たことのない柔らかさで、
わたしの胸がきゅっと縮んだ。
——誰……?
喉の奥がからからに乾く。
恋人。
昔からの婚約者。
家同士の付き合いで決まっている相手。
頭の中で、いくつもの言葉が勝手に並び始める。
――〝次期社長候補〟だもん。
いて当然だよね、そういう人。
自分で自分にそう言い聞かせたつもりなのに、
胸の奥で、何かがじりじりと燃え始めていた。