今日はここまで、ここから一緒に〜君と作る未来〜
女性が、快浬さんのコートの袖口に軽く触れる。
何かのほこりを払ってあげたようだった。
その、さりげない仕草にさえ、
わたしの視界がじんわり滲む。
——なにそれ。
自然すぎる……距離感が違う。
自分とは、まるで別世界の人たちみたいだ。
さっきまでキッチン売り場で熱心にメモを取っていた自分が、
突然、ひどく滑稽に思えてきた。
――私なんかが、なにを期待してるの。
快浬さんと女性は、
そのまま駅ビルの中へと歩いて行った。
手をつないだり、肩を寄せ合ったりはしない。
それでも、二人で並んで歩く姿は、
十分に『絵』になっていた。