今日はここまで、ここから一緒に〜君と作る未来〜



ショールームの打ち合わせルーム。

ガラス越しに展示キッチンが見える、
小さな会議スペースに、
わたしは少し早めに入っていた。

今日の役割は、
ユーザーインタビューのサポート。

快浬さんがファシリテーションをし、
わたしがメモと写真、
そして新コンセプトの軽い説明を担当する。

ドアがノックされた。



「お待たせしましたー」



明るい声とともに入ってきたのは、
白いブラウスに紺のテーパードパンツを合わせた女性だった。

快浬さんと同じ系統の目元。

それより少し柔らかい輪郭。

「小春ちゃんだよね?初めまして。快浬の姉の、美桜《みお》でーす」



「あ、春日小春です。いつもお世話になっています」



思わず深く頭を下げると、
美桜さんはくすっと笑った。



「かたい、かたい。今日は〝お客様代表兼おしゃべり好きな一般生活者〟として来てるから、楽にして」



「おしゃべり好きな、一般生活者……」



「そうそう。〝暁グループの元お嬢様〟とか、そういう肩書きは一旦横に置いとくね」



その軽やかな言い方に、緊張が少しほぐれる。
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