今日はここまで、ここから一緒に〜君と作る未来〜
共働き夫婦のキッチンでは、
妻がシンクを半分ほど片づけ終えたところで、
足元のライトが少しだけ明るくなった。
「これも、〝一旦休んでいいよ〟って合図ですか?」
夫が、光を指さす。
「はい。フライパンとまな板と生もの関係が片づいたので、〝衛生的なリスク的にはセーフ〟って判定ですね」
「じゃあ、コップとかは明日の朝でいいんだ」
「もちろん全部片づけてもいいんですけど、〝え、まだ残ってるのに〟って責めるための光ではないので」
妻は、シンクを見て、光を見て、
それからため息をひとつ吐いて笑った。
「この状態で寝たら、明日の自分を責めなくて済むかも」
夫が、その言葉にうなずく。
「〝中途半端にやめた自分が嫌〟っていつも言ってたもんな」
「そうそう。でも、〝ここまでやってれば大丈夫〟って誰かに言ってもらえたら、たぶんそれで満足できる気がする」
ライトは、変わらず淡いまま、静かにそこにいた。