今日はここまで、ここから一緒に〜君と作る未来〜



そのニュースは、月曜の朝いちばん、
社内チャットに貼られたリンクから始まった。



「見ました?」



「やばくない?」



「うち、完全にかぶってない?」



リンク先には、
大手競合メーカーによる新キッチンシリーズの特集記事が踊っていた。



『家事を半分にする新しいキッチン体験』



『AI搭載で、片づけの手間を見える化』



キャッチコピーのひとつひとつが、
暁が『今日はここまでライト』で目指している世界を、
別の言葉で先回りしているように見える。


——あ……


わたしは、モニターを見つめながら、
喉の奥がからからに乾いていくのを感じた。



「春日さん」



背後から、快浬さんの声がした。



「はい」



「役員会議が前倒しになりました。新シリーズへの対応と、我々の開発状況の報告を求められています」



いつもより、ほんの少しだけ目の奥が鋭い。

でも、声は落ち着いていた。



「〝緊急〟ってつく会議で、ろくなこと言われた試しないですけどね」



高梨さんが苦笑いしながら席を立つ。



「春日さん、資料の最終版、一緒に確認しとこう」



「はい」



朝のオフィスに、
じわじわと不安の波が広がっていく。

その中心に、
自分たちのプロジェクトがあるのだと、
わたしは痛感していた。
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