今日はここまで、ここから一緒に〜君と作る未来〜
プレゼンが一通り終わり、
質疑応答も山場を越えたころ。
「説明は分かりました」
財務担当役員が、眼鏡を外してテーブルに置く。
「しかし、投資の優先順位を考えれば、〝確実に数字が読める案件〟にリソースを割《さ》くべきだというのが、私の立場だ。この〝今日はここまでライト〟は、導入コストに対して、どこまで回収の見込みがあるのか。競合が似たようなことを始めた以上、〝二番手〟として苦戦する未来も十分考えられる」
別の役員も続く。
「快浬君には、前回も大きな期待をかけた。しかし結果は――」
そこまで言われたところで、
社長が、軽く手を上げた。
「今日のところは、ここまでにしよう」
それは、
〝これ以上、同じ話を繰り返すな〟という忠告だった。
「詳細な試算は、改めて詰める。ただし――」
社長は、快浬さんとわたしを順に見た。
「このプロジェクトが、〝また失敗するんじゃないか〟と笑われないだけの根拠を、必ず用意してくれ」
「はい」
快浬さんの返事は、
短く、しかしはっきりしていた。