今日はここまで、ここから一緒に〜君と作る未来〜
窓の外では、
遠くの車の音がかすかに聞こえるだけ。
リビングの灯りは少し落としてあり、
間接照明の柔らかな光が部屋を包んでいる。
「……春日さん」
快浬さんの声が、いつもより少し低く響いた。
「はい」
「あなたが、あの料理教室で〝終わりの自信〟という言葉を引き出してくれたとき。私は、正直、少し嫉妬しました」
「え」
「自分がずっと考えてきた〝暁のキッチンらしさ〟を、あっさりと言葉にしてしまった人が現れたような気がして」
そんなことを言われるとは思っていなくて、
心臓が跳ねる。
「でも、同時に」
快浬さんは、
ゆっくりとわたしのほうに顔を向ける。
「その人となら、一緒に〝終わりの光〟を見に行きたいとも思いました」
〝その人〟が自分だと分かるのに、
時間はかからなかった。
目が合う。
距離は近い。
互いの呼吸の音が、かすかに重なる。
「春日……小春さん」
名前を呼ばれただけで、胸がいっぱいになる。
「……はい」
「私は、あなたと仕事がしたい。そして――」
言葉が途切れる。
代わりに、そっと手が伸びてきた。
頬にかかっていた髪を、
指先でやわらかく払われる。
指が触れた場所が熱くなる。
「あなたといるときの自分は、何故か嫌いではありません」
不器用な告白だった。
そのまま、快浬さんの顔が近づいてくる。
視界いっぱいに、
彼の瞳とまつ毛と、少し震える唇が映る。
――来る。