今日はここまで、ここから一緒に〜君と作る未来〜



数日後。

わたしは、小さなスーツケースを引いて、
地元の駅に降り立っていた。

ホームに立ちこめる、少し湿った空気。

改札を抜けると、
昔よく通った商店街の看板が目に入る。



「……帰ってきちゃった」



思わずぽつりと言葉が漏れた。

実家に顔を出すと、
母親が驚いた顔で迎えてくれた。



「小春?どうしたの、急に」



「ちょっと、休暇で」



「顔色ちょっと悪いんじゃない。ちゃんとごはんは食べてる?」



「今から食べます」



そう言って笑うと、
母は「まったくもう」と言いながら台所に立った。

実家のキッチンは、暁のものではない。

古くて、シンクも低くて、
収納もあちこち狭い。

それでも、
この家で何度も見た『片づき終わりの景色』が、
わたしの中にちゃんと残っていることに気づく。


——ここで、
〝キッチンに救われてた〟んだなあ、昔から。


そう思いながら過ごすうちに、
少しずつ身体の重さが抜けていった。
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