今日はここまで、ここから一緒に〜君と作る未来〜
秋人は、
自分のカップの縁を指でなぞりながら続ける。
「でもさ。今の小春見てると、〝あのとき別れてよかったのかもな〟って、ちょっと思う」
「え」
「だって、目が前より全然生きてる」
思いもしない言葉だった。
「昔の小春って、〝俺と夢のために走ってる〟感がすごく強かった。でも今は、〝自分で選んだ場所で夢を追ってる〟って顔してる」
不意に、涙腺がきゅっと熱くなる。
「秋人こそ、なんか穏やかになったね」
「それを言うなら、丸くなったって言えよ」
「そうだね」
冗談を言い合って笑ううちに、
張りつめていた心の糸が少しずつほどけていく。
夕方まで他愛ない話をして、
店を出るころには、
二人の間の空気はだいぶ柔らかくなっていた。